ワンピ学パロ【ホラー】 (ページ17)

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”弐　ノ　『零』” ページ17

＿歪んだ視界に足がふらついた。ガクンと廊下に膝をついて壁に寄りかかる。幸い骨は折っていないようだが、足を挫いたし、竹刀を振るうための大事な腕はずきずきと痛んでいた。

「くそっ…早くしねェと…！！」

　中央階段がもうすぐそこまで見える。闇をたたえた階段がすぐそこに。

　痛む体に鞭打ってずるずると這うように進む。

「持ちこたえろルフィ…！！」

　尋常ではない汗がぼたぼたと木造の廊下に濃い染みを作った。ハッと顔を上げればその闇は薄く薄く空気に解け始めている。

「やめろ…やめろルフィ！！！！」

　叫び声が甲高い破壊音と共鳴した。一気に下がった校舎の温度に目の前が暗くなった。ガクンっと完全に全身から力が抜けてそこに倒れ込む。一気にどっと疲れが押し寄せて来て、誘われるまま目を閉じた。

　薄れる意識の中でバタバタと走る音が聞こえた気がした。
　
　名前を呼ばれて上半身だけ抱き起された。聞きなじんだ声が何かを聞くが、それの内容を理解することもできないぐらいに頭がぼけて使い物にならなくなっていた。このままでは言いたいことも忘れてしまう。

「たのむ…止めてくれ、１、階…に…１階に…止めてく…れ…行って…」

　
　支離滅裂かもしれない。
　霞んだ視界の中に映る”誰か”に、おれはかすれる声を振り絞って懇願した。