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138.比例する2つの気持ち ページ38

ヒョクが運転してくれる車内で、絢音とドンへ…さん(まだ、呼び捨てにするのはちょっと…ね)は、いくつか言葉を交わしていたけど。
私は、その会話の中に入ることはなく、時折ドンへさんの愛嬌に突っ込む絢音に笑ったり、また、窓の外の景色に目を止めたりして。
 
 私達が住むマンションと彼らの宿舎は、直線距離でそんなに距離の無い所にあったけど。
念のため…と、30分ほど車を走らせて目的地を目指していた。

DH『♪〜あっ、もうちょっとだよ。』

鼻歌を歌っていたドンへさんが、嬉しそうに声をあげたから。
 窓の外から車内へ視線を移すと…そっと、重ねられていた絢音の手に気付く。
ただ、そっと…私の手の上に重ねられた手を見つめて。
 隣に座ってから、初めて絢音と目が合う。

絢音「A…、大丈夫?」

「…ん。大丈夫。」

私を見つめる、絢音の瞳が揺れる。
 
 本当に、絢音には私の全てを見透かれてしまう。
きっと、絢音は気付いたんだと思う。

 私の「想い」と「葛藤」に…。

私は、「実感」し始めているから。

この気持ちと比例して、増えていく「不安」に。
 ここに居たい「私」と、今すぐにここを立ち去りたい「私」の存在に。

ヒョクに逢うほど、惹かれていくのに。

彼に会うほど、私とは住む世界が違うのだと実感する。

 ただ、彼と同じ空間に居られるだけで…
こんなにも満たされてしまう自分に、戸惑いを隠せなくて。

心地よかったはずなのに…今は、この空間で息をするのも苦しくて。

「彼」を、「彼の後ろ姿」さえ、視界に入れられなくなっていた。

 手を重ねられて、そっと握られているだけなのに。
今にも消えてしまいそうな私の心を、絢音に掴まれたような気がして。
 揺れる絢音の瞳から、目が離せなくなっていた。

絢音「…Aは、今のままでいいの。だから、隣にいて。私もAの隣に居るから。」

2人にしか聞こえない、小さな声で絢音がそう呟いて。
私の手を、優しく握ってくれたから…私は、重ねられた手を握り返す。
 私の「返事」に気付いて、絢音が笑ってくれたから。私も、絢音に笑顔を返す。

その時、車が停まって。「彼」の視線に気付く。

視線を感じた方へ顔を上げると、優しく笑いかけてくれるヒョクと目が合って。

EH『A、着いたよ。』

今、その瞳に映っているのは私なのだと…気付いたから。

『うん…。ヒョク、ありがとう。』

今は、ただ彼と一緒に居たい。それが私の願いだから。

139.緊張と不安→←137.「彼」の言葉



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作品ジャンル:タレント
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りん(プロフ) - 楽しみ(≧∇≦) (2016年5月22日 6時) (レス) id: 81ec167096 (このIDを非表示/違反報告)
yumika(プロフ) - りんさん» 早速、ありがとうございます。作者ながら…やっと!という感じです。 (2016年4月30日 0時) (レス) id: b12646fcc9 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - よいよ動き出す運命(≧∇≦) (2016年4月30日 0時) (レス) id: 81ec167096 (このIDを非表示/違反報告)
yumika(プロフ) - りんさん» コメントありがとうございます!夢のような展開になってきました。笑妄想が止まらず、初めて小説を書き始めたんですが、書き進めていくには想像力が乏しかったようで、とてもマイペースな更新ですいません。頑張って妄想を膨らましますので、どうかお付き合いください。 (2016年4月26日 20時) (レス) id: 60c9990c07 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - わたしは、ヒョクに恋してる…ジョンヨンは、わたしに?…(≧∇≦) (2016年4月26日 20時) (レス) id: 81ec167096 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:yumika0404 | 作成日時:2016年4月6日 20時

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