116.治療薬 ページ16
『私の…ですか…?』
YS『あぁ、もしAがいい…なら…だけど…。』
きっと、私が驚いた表情をして固まっていたからだと思う。
イェソンさんはどんどん小声になって、最後は消えそうな声とともに俯いてしまった。
『いいです!もちろん、大丈夫です!』
その様子に気付いたときには、イェソンさんの手を取って大きく頷いていた。
YS『ありがとう。』
顔を上げたイェソンさんは、笑顔になっていて。その表情を見た私は、やっと安堵した。
その場ですぐに、イェソンさんの携帯を渡されて、私は促されるまま自分の連絡先を登録した。
YS『そろそろ、戻らないとな。』
私から携帯を受け取ったイェソンさんは、画面を見て、すくっと立ち上がる。
『大丈夫なんですか?』
ついさっき、倒れかけた彼の姿が思い出されて。
とっさに、私も立ち上がってイェソンさんの腕を掴んでいた。
YS『…ククッ…大丈夫だ。リョウクかの招集がかかったからな。ちゃんと時間を守らないと、後が怖い。』
私の咄嗟の行動を見て笑った彼は、さっきまでの辛そうな様子は微塵も感じさせない笑顔を見せて。
『superjuniorのイェソン』の姿が、そこにあった。
今まで目の前にいた人が全くの別人のように感じて…
これが彼の仕事なのだ、彼のイェソンとしての覚悟なのだと分かった。
『イェソンさん、すいません。私が邪魔してしまったから、休めませんでしたよね。あの…これもし良かったら、使ってください。』
落としたままになっていた自分のバックから、薬ケースとミネラルウォーターを取り出す。
『鎮痛剤です。解熱作用もあります。市販薬なのであまり効果は強くないけど、眠くならないものなので…少しでも、辛さが緩和されると思います。』
ケースの中から錠Y剤を取り出すと、イェソンさんはミネラルウォーターと共に受け取って。
そのまま、その錠剤を口に含んで、ミネラルウォーターと共に流し込んだ。
YS『ありがと…。あと…ジョンウンだ。』
『えっ?』
聞き慣れない名前に、聞き返す。
私の反応に、少し困った表情のイェソンさんがふっと微笑む。
YS『イェソンは、芸名だから…ジョンウンが、俺の名前。』
『ジョンウン…さん…?』
YS『ん…、「さん」も要らない。』
『でも、さすがにそれは…。じゃあ…、ジョンウン…オッパ?』
YS『…あぁ、それがいい。』
少し照れながら、彼の名前を呼ぶとイェソンさんはさらに優しく微笑んだ。
YS『一番の薬…だな。』
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りん(プロフ) - 楽しみ(≧∇≦) (2016年5月22日 6時) (レス) id: 81ec167096 (このIDを非表示/違反報告)
yumika(プロフ) - りんさん» 早速、ありがとうございます。作者ながら…やっと!という感じです。 (2016年4月30日 0時) (レス) id: b12646fcc9 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - よいよ動き出す運命(≧∇≦) (2016年4月30日 0時) (レス) id: 81ec167096 (このIDを非表示/違反報告)
yumika(プロフ) - りんさん» コメントありがとうございます!夢のような展開になってきました。笑妄想が止まらず、初めて小説を書き始めたんですが、書き進めていくには想像力が乏しかったようで、とてもマイペースな更新ですいません。頑張って妄想を膨らましますので、どうかお付き合いください。 (2016年4月26日 20時) (レス) id: 60c9990c07 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - わたしは、ヒョクに恋してる…ジョンヨンは、わたしに?…(≧∇≦) (2016年4月26日 20時) (レス) id: 81ec167096 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:yumika0404 | 作成日時:2016年4月6日 20時