Dark&Smile (ページ9)

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2人で学校帰りにライブハウスに通って、お気に入りのインディーズバンドを見つけたり、カラオケでひたすら彼女が歌うのを聞いていたり。

毎日が楽しくて仕方なかったけど、時間は残酷で、気づけば付き合ってから1年半が経った俺が高2,彼女が高3になった年の春。

『東京の大学に進学しようと思う』

彼女の口から初めて進路に関わることが告げられた。

地元じゃダメなのか。

何度も口から出そうになったけど、俺を理由にして彼女が行きたいところに行けなくなるのはもっと嫌だった。

せめてもの思い出作りをしたくて、彼女の受験勉強の合間にもデートを重ねた。

夏休みが始まって、彼女は受験勉強、俺は学校の課題を一緒にやっていたときのこと。

『瑠姫は進路のこと考えてる？』

彼女の問いに即答できなかった。

そのときの俺は目の前にいる彼女と残りの時間をただ一緒に楽しむことしか考えていなかった。

そしてそのとき初めて気づいた。

俺も東京に行けば彼女とさらに長く一緒にいられると。