第8話 夢と現実と ページ8
石造りの大きな建物の最上階
体がオレンジの宝石のようなものに包まれて
鏡に吸い込まれていく……
「──────!」
「─────────!!」
何て言ってるの?
誰なの?
………………──────
場面が変わって、大学にいた
今日の講義はどの部屋だっただろうか
近くにあった教室に入るといつメンが揃っていたので声を掛ける
『おはよう、今日ここだっけ?』
「「「………………」」」
『……おはよう!』
「あ、私?えっと、初めましてだよね?いつもこの講義いる?」
『え、何言ってるの、いつも一緒にいるじゃん』
「「「???」」」
………何で皆、知らない人を見るような目で見るの
大学入ってからいつも一緒じゃん
カラオケもカフェも行ったじゃん
え、何、どういう事?
その場の空気に耐えきれず教室を出る
朝だったはずなのに薄暗くて人の気配もない
怖くなって、ひたすら走る
涙で視界がボヤけて上手く走れない
ねぇ、何なの、誰か教えてよ……!
………………
…………………………
………………─────
「──!
──ちゃん!
Aちゃんってば!」
『──っ!』
名前を呼ばれて飛び起き……たものの、力が入らずへたり込む
「大丈夫?」
見知らぬ男の子が心配そうに顔を覗き込んでいる
「まだ寝てた方がいいよ。結構酷くやられてたから」
えーっと…………どちら様でしょうか
こっちも初めまして……女の子みたいに可愛いけど、男の子だよね?
「ねぇ、うなされてたけど、怖い夢でも見た?大丈夫?」
起こしてくれたらしい男の子が隣に座った
頬に触れられる
「なんで?って寝言を言いながら涙流してるんだもん。疲れてるの分かってたけど起こしちゃった」
親指で頬を伝う涙を拭ってくれる
「あ、起きたんだ、おはよー」
あ、この人、夢で危ないところを助けてくれた…確か平野さん……
………………夢?
あれ、夢の中で寝てまた夢を見たの?
それとも………………大学の方が夢でこっちが現実??
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作者名:レイ☆ | 作成日時:2019年10月10日 23時