廉ルート【 1 】廉side─ 1 ページ27
ええ子やな、とは思う
嫌いなわけでもない
ただ、どう接したらいいのか分からへんねん
こっちの言った事にバンバン返してくれる子やったらやりやすいねんけど、いっつも気ぃ使てるって言うか、様子を伺っとるような、ビクビクしとるような感じやから、まーやりづらい
こっちは普通に喋っとるだけなのに、怒っとるように見えるらしいやんな
ジンも最初は俺のこと怖い言うとった
Aちゃんも怖いんかな
女の子を怖がらせたない
迷っとるうちに、自然に話しかける回数も減ってしもた
そんな頃やった
事件が起こったのは
────────
まさか
こんなタイミングで魔物が出るなんて思わへんやろ?
大きな魔法を使える力は残ってへん
皆には申し訳ないけど、地道に倒すしかない
優太にナイフ借りて、魔法をかけて炎を纏わせ、準備を整えた
………………
どれだけ倒したやろ
もう少しで方が付きそうやけど、こっちの疲労もやばい
玄樹にAちゃんを任せて、5人で片っ端から消してくけど、取りこぼしも増えてきた
玄樹も多少は戦えるけど、そう強くはない
大丈夫やろか
気になって視線を走らせると、玄樹も魔物の相手しとってAちゃんがフリーな状態
これ、マズいんとちゃうん?
魔物がAちゃんに突っ込んでいくのが見えた
考えるより先に体が動く
目の前にいた魔物を雑に吹っ飛ばし、Aちゃんの元に走った
Aちゃんとまさに噛み付こうと大口を開けた魔物の間に右腕をねじ込む
嫌な感触と異常な熱さが腕を襲った
「い゛ったっ!!この服気に入っとんのに穴あけんなやっ!」
素直に"大丈夫か?"って言えばええんやろけど、そんな言葉は生憎出てこおへん
どうにか修羅場は切り抜けて、玄樹に腕を治してもらう
Aちゃんが悲痛な顔でこっちを見とる
ああ、泣かんといて
………泣いてしもた
声にならへん声で謝っとる
こないなの苦手やねん
なんて声を掛けたらええのか分からへん
どうしたらええのか分からなくなって、目を逸らしてもうた
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作者名:レイ☆ | 作成日時:2019年10月10日 23時