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第20話あの日の夜3 ページ20

神宮寺side

各々、いつものように夜の時間を過ごす

紫耀は剣の手入れ、岸くんは廉を筋トレ誘って断られてるし、海人が地面に何か描いていて、玄樹はそれを覗き込んで笑ってる

『…………う………ん………………』

あ、起きた？

『………っ………なんでっ』

「これ起こした方がいいよね、悪い夢見てるみたい」

海人がAちゃんの体を揺すると、飛び起きた
まだ体はキツそうだ

状況が理解できないのか目を丸くして周りを見回していたけど、苦しげに眉間に皺を寄せて体が震え、呼吸が乱れ始めた

可哀想に

背中をさすって、大丈夫、と何度も声をかけてあげると落ち着いて来たみたい
こんな小さな体で、この子は何を背負ってるんだろう
儚げな笑顔に堪らず抱きしめた

…………ただ元気になって欲しいだけなのに、チャラいとかみんな酷くね？

その後、自己紹介して、
Aちゃんのルーツについて手掛かりがありそうな玄樹のおじいちゃんの家に行く事になった

異世界から来たのかもしれない話は
半信半疑だったけど

一人でどうにかすると言い切ったAちゃんを見て、ああ本当に魔物の事とかこの世界の事とか何も知らないんだ、って思ったら、一気に信憑性が出て来たように思う