第16話 歓迎 ページ16
丸一日歩いて、町に着いた
少し遠回りだけど、ここに寄ったのは……
「この服、良くない?」
「動きやすさを考えたらこっちだと思う」
私の服を買うため
服は向こうの世界のままだったので、このまま行動するのは目立ちすぎるし、魔物に襲われた時にあちこち裂けてしまっていた
とりあえず一番小柄な玄樹くんの服を貸してもらったけど、女子顔負けの可愛さでも男性なので私が着るには緩すぎた
皆さんこういうのは好きらしく、選んでくれているのだけど……
「コレにしようや〜絶対似合うって!」
「俺はこっちが好きだな〜」
……意見がまとまるのか不安だ
あれこれ試着して、ようやく購入……しようとしたら「お代はいりません!」だって
前回立ち寄った時にこの村に出ていた魔物を退治したらしく、町に入るなり熱烈な歓迎を受けたのだ
今夜はこの町に泊まることになった。
宿も用意してくれて、今は歓迎の宴席の真っ最中
さすが年頃の青年男子、食べっぷりがいい
歓迎してもらえるのは嬉しいけれど、
「新しいメンバーさんですか?King & Princeに入れるなんて、お嬢さんも相当な能力者なんでしょう?」
なんて言われて、曖昧に微笑むしかなくて、ちょっと居心地が悪い
本当の事は……言わない方がいいよね………
分からないことが多過ぎて答えるに答えられないし
昨日から
いろんな事が同時に起こり過ぎて、頭が回らない
周りの会話も聞こえてるけど理解が追いつかない
「Aちゃん食べてる?ちゃんと食べなきゃ体力もたないよ」
隣に座っていた紫耀くんが渡してくれたけど、食べ方が分からない
誰か食べている人がいたら真似しようとキョロキョロしていたら
「貸してみ。ここをこうして〜はい、どうぞ」
反対側にいたジンくんがやってくれる
向かいの席にいる海人くんは、目があったら「やっほー」って手を振ってくれる
皆さんの優しさのおかげで、どうにか気力を保っていられた
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作者名:レイ☆ | 作成日時:2019年10月10日 23時