弟子* 41 ページ41
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「 俺、泣かせたかったわけじゃないんねん。でも結果として泣かせてもうて...、」
ポツンと出てきた俺の本音。
泣かせたかったわけじゃない、ただ、泣かせてしまった。
俺はもう、彼女のそばにいる資格なんて、師匠でいる資格すらもない
「 そうやって逃げてどうするん、もうAちゃんと関わらへんつもりなん?」
しげの言葉がズキッとまた心を痛ませる。
しげの言ってることが全くの正論だからだ、俺はただ逃げてるだけ、わかってる。
でもわかってても上手くいかないのだ、いざAちゃんの顔を見ると心がグーっと痛むんだ。
「 なあ神ちゃん。Aちゃんは嫌われたかもしれないって泣いててんで? 」
「 ...さっき聞いたよ。」
「 裏を返せばAちゃんは神ちゃんに嫌われたくなかったんやで、それも大泣きするくらい。」
にぶいなぁ、ほんまにぶいわぁと笑窪を見せて笑った。
全身に変な衝撃が走る。
それって、少しは期待してええってことなんだろうか?
俺がしばし黙っているとばしん!としげが思いっきり背中を叩いてきた。
背中がヒリヒリして痛い。
「 とりあえず謝ってこい!早よしないとAちゃん、新城くんのとこ行っちゃうで!」
腕時計を見ると時刻は12時40分過ぎ。
待ち合わせ時間の20分前だ。
「 ...行ってくる。ありがとうな。」
「 おう、多分教室おるわ。まあ報酬はクレープ一個ってとこやな。」
ニヒッてピースサインしながら笑ってる。
あの笑顔、出会ったときから変わらない。
しげにどんだけのありがとうを伝えればいいだろうか。
いや、きっともう伝わっているんだろう。
俺がこの後しなくちゃいけないことは、クレープを奢ることだ。
もう一度ありがとうを告げ、くるんと背中を向けて屋上を後にした。
彼女につい口走ってひどいことを言ってしまったこと、それが気まずくて避け続けてしまったこと。
謝らなきゃ、彼女に、Aちゃんにごめんねを伝えなきゃ。
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プシュケ(プロフ) - 智花さん» ありがとうございます!(;_;)最後まで読んでくださって嬉しい限りです。最後の最後で立場が逆転する二人が書きたくて書いたお話でした(笑)嬉しい言葉をたくさんありがとうございます、これからもよろしくお願いいたします! (2017年3月26日 18時) (レス) id: fc4e3bc784 (このIDを非表示/違反報告)
プシュケ(プロフ) - オレンジさん» 私たちみたいですねじゃないです、私たちです。断言しましょう。大好きなお友達であり敬愛して止まない師匠からのお褒めの言葉を胸に刻んでこれからも日々精進していきたいと思います。意味わかんないって?めちゃくちゃ嬉しかったってことだよ!ありがとう!!(;_;) (2017年3月26日 18時) (レス) id: fc4e3bc784 (このIDを非表示/違反報告)
智花 - 完結おめでとうございますッ!始まった時から ファンでした!!このお話 終わっちゃったの寂しいです。。。ぜひぜひ続編待ってますね!師匠の神ちゃんか っこよすぎるし、弟子の主人公可愛すぎます!!めっちゃ読んでて楽しかったです!!!!これからもファンです!! (2017年3月23日 18時) (レス) id: b40a8f73c9 (このIDを非表示/違反報告)
オレンジ(プロフ) - 完結おめでとうございます。師匠と弟子から始まる関係、まるで私たちみたいですね(?)可愛くて、笑っちゃうしほっこりするし、なんだか幸せなお話で大好きです!ぷーしゅか大好きです!素敵なお話をありがとう! (2017年3月21日 3時) (レス) id: 0a77c14ca4 (このIDを非表示/違反報告)
プシュケ(プロフ) - 智花さん» こんにちは!今日更新させていただきました、秒で飛んできていただけましたか?(笑)嬉しい言葉をいっぱいいっぱいありがとうございます!ただごめんなさい、神ではないです(;_;)これからも一生懸命頑張りますね、ありがとうございます! (2017年2月25日 23時) (レス) id: fc4e3bc784 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:プシュケ | 作成日時:2016年8月20日 17時