義兄は私を嫌っている。part3

第2話。 ページ14

ピンポーン…ピンポーン…

あ、来た。

時刻は昼の1時過ぎ。

昨日と同じくらいの時間…。

私は飲みかけのコーヒーをテーブルに置き恐る恐るドアスコープを覗いた。

「宅急便でーす」

そう声を張る男の人は帽子を深く被り顔が見えない。

この制服…ちゃんと宅急便の人だ。

ほらね、だからバレるわけないんだって。

えっと、ハンコハンコ。

私はそれに安心してハンコを探しにお義父さんの部屋に向かった。

ピンポーン…

「はーい、今行きます！」

ガサガサ…

もうお義父さんハンコどこにしまってるんだろ…

ここにもないし…

ちゃんと聞いておくべきだった。


…え…これ…何で？


ハンコを探す際に開けた引き出しの中に入った花柄の日記帳。


これってもしかして…


ピンポーンピンポーン

「はーい！」

私は急いでその日記帳を自分の鞄に押し入れて玄関へ向かった。






ガチャッ

「出るのおせーんだよノロマ、迎えに来たぞ」

「…ミユキお兄ちゃん！？なんで…」

「いいから早く荷物まとめろ」

お兄ちゃんは当然私の問いに答えるはずなく帽子を外して汗を拭いた。

「ったく…手間とらせやがって」

居場所がバレたっ！

「…いやっ！！」

ガンッ！！！

私が勢いよくドアを閉めようとするとミユキお兄ちゃんはすかさず片足を入れてそれを阻止した。

「よくも昨日無視してくれたよなぁ、まぁそれは後でにするとして俺がブチ切れる前に言うこと聞け」

最悪…

まだ聞けてないのに。

お義父さんに聞かなければならないことあったのに。

ここがバレたからにはもう…





「荷物、それで全部か？」

「…うん」

学校帰りにそのまま来たから荷物は鞄だけだしお義父さんに買ってもらった服は全部置いてきた。

「余計なモンは持って行くなよ」

お兄ちゃんはそういうと私がもらった合鍵で鍵を閉めそのままポストに投げ入れた。

「あの…」

「喋んな、お前の謝罪はもう聞き飽きた。」

私が口を開くとお兄ちゃんはそれに被せるように言って私の手を強引に引いた。

「そのかわり親父にはもう一生会わせねぇし、これから1人で外出も禁止だからな」

「…え？」

「学校以外家に縛り付けて外に出ることも許さないし、送り迎えも俺かシンがする。わかったか？」

「………」

「おい返事は？」

「……はい。」

あぁ、私はなんてバカなんだろう。

お義父さんの言いつけをキチンと守るべきだった。



「とりあえず家に帰ったらお仕置きな」



ほらまた…


地獄が始まる。

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