黒と白の境界線【オビ】《赤髪の白雪姫》

episode7 ページ9

私達アルビノはメラニンが極めて少ない。
それは、容姿の違いにしか目に見えては分からないが、メラニンには日焼けやDNAの破壊といった紫外線からの害を防ぐ力がある。

簡単に言うと、その力がないために紫外線に極端に弱いのも特徴の一つであるということだ。

強い紫外線を浴びるとゼン殿下に指摘されたこの手のようにすぐに皮膚が赤くなってしまう。


『陽射しが強いとどうもね、次は気をつけておくよ。』

そう言ってひらりとソファから降りる。


『ゼン坊も忙しそうだし、私は出直すとしようかな。また明日来るよ。その時に改めて、是非とも新しい仲間を紹介してよ。10年の成長楽しみにしてる。』


｢あ、おい待て！｣


その静止の声を聞き流し外に飛び出す。

出直す、とは言ったが行く宛もない。どうせなら白雪の所にでも行こうか。彼女は面白い。


そう思い立ったら居場所を聞かなくては。
と、ゼン殿下の元にすぐさま戻り赤髪の少女の居場所を聞く彼女はいささか自由すぎる気もするが、あまりにも変わらない彼女の行動に呆れ、そして笑顔をこぼすこの国の第二王子もまた城を抜け出し国を見て回る自由奔放さなのだから、人のことをとやかく言えないのであった。

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ーコンコンー
と軽い音を立て、白雪をの部屋のドアが叩かれる。

日も完全に落ちきったこんな時間に、宿主がくるはずもなく不思議に思いつつもはーいと声を上げドアを開ける。

するとそこには自分よりも人目を引くであろう、昼間にあったAさんがいた。

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