episode20 ページ22
｢っ！？｣
自分の横腹に向かって飛んできた脚に思わず手を離す。
｢なっ、アンタ、俺が手を離してなきゃ大動脈切れてたぞ！｣
どんな神経してんだ！
と、薄く切れた首元から流れ出た血を拭う自分と同じくらいの歳の少女に軽い焦りを感じる。
『いいじゃない。結果貴方は手を離したし、少し切れたくらいでしょ。それより、いいの？依頼人かお仲間か知らないけど、貴方ごと私を消すつもりじゃないかしら。』
少女の言葉を聞いて初めて、近くに集まりつつある沢山の人の気配に気づいた。
こうなっては仕方がない。生きるためにはなんだって使わせてもらわなければ。
そう考えた刺客は少女に向かって言葉を投げかける。
｢俺の名前はオビ。少々お力添え願えませんかね、A嬢？｣
んー、と曖昧な返事をする少女、もといAの方を伺う。
『やっと名前呼んだね。次アンタって呼んだら一発お見舞しようかと思ってた。』
と、物騒なことを呟くAに思わず苦笑いする。
｢そりゃおっかない。で、どうします？｣
早く答えを出せとばかりに視線を向けるとAはもうそこにはいなかった。
｢な、くそ。逃げやがった！｣
仕方なく集まってきた奴らを1人で片付ける。
が、雑魚ばかりだったようですぐに片付いた。
しかしこの人数をまとめるにはそれなりの力を持った奴がいるはずだ。
と、裏稼業を営むものとしての勘がオビに違和感を告げる。
まさか。
Aが消えたであろう方向に向かい足を早める。
もとの依頼はAを拘束し連れていくこと。それに合わせて他の刺客を寄越したということは、依頼人の目的はAの拘束及び俺の口止め、そして……
Aへ何かしらの危害を加えること。
そこで足を止める。
自分がわざわざ行ってやる必要は無い、と。
そうして踵を返した時にあることに気づく。
｢……ない。｣
腰に付けていた小型の剣が無くなっていたのである。
｢パクられたか……｣
精神的に重くなった足を上げAのいるであろう方向に向かう。
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
(文字数の関係で区切ります)
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 118人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
セラ(プロフ) - 続き気になります！とても好きな作品です！なので更新楽しみにしてますね！ (2019年10月15日 18時) (
レス) id: 5880a74d39 (このIDを非表示/違反報告)
yumi823416(プロフ) - オビの相棒になりたいさん» ひゃぁぁぁ、本当にコメントが来るとは思っていなくて今嬉しい発狂をしております((( これはやっぱり説の立証が出来るのでは！？！？わかります、どこか似たところを感じますよね! ! ありがとうございます〜〜!! (2018年11月8日 0時) (レス) id: 0f61d323b1 (このIDを非表示/違反報告)
オビの相棒になりたい - いつも楽しみに更新待ってます！！私はオビ推しで、アル戦ではギーヴが好きです！何となく似てるような気がするんですよね。もし作者様が、アル戦の夢小説をしかもギーヴのお話を作る事になったら飛んでいきたいと思います＼( ~∇~)／ これからも更新頑張って下さい！ (2018年11月5日 23時) (レス) id: 0d9e5a847b (このIDを非表示/違反報告)
yumi823416(プロフ) - まるさん» 画面を切った際にまた付いていたようです、コメントのおかげで気づくことが出来ました；；教えて下さりありがとうございました！ (2018年10月28日 15時) (レス) id: 0f61d323b1 (このIDを非表示/違反報告)
まる - 作品を作る前にルールをしっかりご確認下さい。オリジナルフラグをちゃんと外して下さい (2018年10月28日 15時) (レス) id: 403bff38f1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆ〜みん | 作成日時：2018年10月28日 14時
