episode19 ページ21
私たちが初めて出会ったのは、リドの城での夜会だった。
決して、良い出会い方をしたとは言えない。
なぜならその出会いは、
【刺客】と【標的】
という関係性だったからだ。
普段から夜会などでの演奏は多くの目に触れるため、ならべく依頼を受けるようにしていた。
一般の民の依頼より収入が得られるし、運が良ければ夜会に来ていた他の貴族からの新たな依頼も手に入る。
そして、
ー「なに?タンバルンの王子は相当のうつけ者なのか?」ー
ー「3日後、例の者をそちらに寄越す、上手くやれ。」ー
ー「そこの料理が美味しかったのだけど、次はご一緒しませんか?」ー
噂話から誘い文句、何かを企むような言葉。
耳の良い彼女には全てが雑音のように入る。
(へぇ、まさか夜会にまで悪事を考えるとは。後で伝えておかないとな。)
彼女への仕事の依頼は大抵が演奏なのであるが、その中に《怪しいヤツの情報集め》というのが偶に混ざる。
どこで知り得たのかは知らないが、彼女の耳の良さを買い演奏がてら頼むものが多いのだ。
『さて、夜会ももう時期終わるし、情報もこれだけあれば十分ね。』
あー、疲れた。
そう言って伸びをする彼女の背後に黒い影が落ちた。
「へぇ、これは思ったよりわかりやすい。
アンタが神の耳を持つ八咫烏ってやつで間違いないね?」
振り返ったそこには、襟巻きで口元を隠した黒髪の男がいた。
『八咫烏は芸名。本名はA・ティファニー。良ければ覚えておいて。』
なんの緊張感もなく本名を明かし、それどころか握手を求め手を差し出した少女に面食らった様に目を見開くが、すぐさま表情を作り直す。
「あぁ、こちらこそよろしく。」
そう言って差し伸べられた手を掴むと同時に、後ろ手に拘束しクナイを首に突きつける。
「悪いけど、アンタを連れてこいってのが依頼でね。付いてきてもらおうか。」
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セラ(プロフ) - 続き気になります!とても好きな作品です!なので更新楽しみにしてますね! (2019年10月15日 18時) (レス) id: 5880a74d39 (このIDを非表示/違反報告)
yumi823416(プロフ) - オビの相棒になりたいさん» ひゃぁぁぁ、本当にコメントが来るとは思っていなくて今嬉しい発狂をしております((( これはやっぱり説の立証が出来るのでは!?!?わかります、どこか似たところを感じますよね! ! ありがとうございます〜〜!! (2018年11月8日 0時) (レス) id: 0f61d323b1 (このIDを非表示/違反報告)
オビの相棒になりたい - いつも楽しみに更新待ってます!!私はオビ推しで、アル戦ではギーヴが好きです!何となく似てるような気がするんですよね。もし作者様が、アル戦の夢小説をしかもギーヴのお話を作る事になったら飛んでいきたいと思います\( ~∇~)/ これからも更新頑張って下さい! (2018年11月5日 23時) (レス) id: 0d9e5a847b (このIDを非表示/違反報告)
yumi823416(プロフ) - まるさん» 画面を切った際にまた付いていたようです、コメントのおかげで気づくことが出来ました;;教えて下さりありがとうございました! (2018年10月28日 15時) (レス) id: 0f61d323b1 (このIDを非表示/違反報告)
まる - 作品を作る前にルールをしっかりご確認下さい。オリジナルフラグをちゃんと外して下さい (2018年10月28日 15時) (レス) id: 403bff38f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆ〜みん | 作成日時:2018年10月28日 14時