【WT】恋は常にすれ違い中【実況者】 (ページ21)

今日:18 hit、昨日:6 hit、合計:60,088 hit

想いXI ページ21

きんときside

Kn「(ここで待ってれば来るかな)」

まだNakamuに会っていないのにドクドクといつも以上に鳴る心臓。落ち着かせようとゆっくりと深呼吸をしていると、階段を下る音が聞こえた。

ちらりと隙間から上の様子を見ると、そこには階段を下るNakamuが居た。俺は緊張で胸が苦しくなる中、声を張り出す。

Kn「Nakamuー」

すると、名前を呼ばれたNakamuは俺の方を見るとにっこりと笑い、「きんとき！！」と大きな声で嬉しそうに俺の名前を呼んでくれた。

Kn「おう、なんかやけに元気だなw」

いつも通り軽い絡みをする。Nakamuは階段を降りてきて、俺の目の前にやってきた。

Na「もーみんな居なくなるからハブられたかと思ったw一緒に帰ろ！」

ハブられた？…ああ、きりやんがちゃんと皆を呼んでおいてくれたのか。

それよりも、俺は自分のことで頭がいっぱいだ。

Kn「ああ、そうなんだが…ちょっと先にNakamuに話したいことがあって」

ドクドクとなっていた心臓は、気づけばバクバクとはち切れんばかりに鳴っている。Nakamuに気づかれているんじゃないかと言うくらい大きな音で、自分が物凄く緊張しているのだと分かった。

緊張のせいで手汗も凄いし、顔も恐らく真っ赤だろう。

…勇気を出せ、俺。

Kn「実は俺_____」

失敗したっていい、てか元々同性愛なんだから成功なんて期待してない

Kn「Nakamuの事が好きなんだ」

Nakamuの幸せを応援するために、この気持ちを捨てるんだ

Kn「これからは俺の傍にいて欲しい」

………

数秒程続く沈黙。その間、俺はNakamuの目をじっと見つめた。

そして、その沈黙はNakamuの予想していた答えで破られた_____

Na「…ごめん」

その言葉を聞いた瞬間、俺の胸がギュッと苦しく締め付けられる感覚がした。

Kn「そうか…」

Na「本当にごめん」

Kn「いや謝らないでよw俺が勝手にNakamuへ気持ちを持っただけだから」

振られるのってこんなに辛いんだな。心がとにかく苦しい。

Kn「あっ、そういや昨日Nakamuケーキ屋の前で本置いてっただろ！ほら、これそのやつだから」

適当に話題を変えて逃げてしまおう

Na「え、ああ…ありがと」

…こんなに辛いなら、告白しなければよかったかも

俺は急いでその場から、その現実から逃げるように走り去った。