【WT】恋は常にすれ違い中【実況者】 (ページ12)

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想いⅥ ページ12

きんときside

女「ここだよー」

Kn「わー美味しそうだねー」

女「でしょ！喜んでもらえて良かった～」

…どう捉えたらこの棒読みを喜んでるように聞こえるんだ。適当にケーキ選んで食べて帰ろ。

ショーケースの中のケーキを見ると、流石ケーキ。とても美味しそうだった。それに、値段が1個200円という破格の値段。

Nakamuに誤解を解くついでにあげようかな。

そう思った俺はショーケースに置かれているケーキ達を覗く。すると、隣の方からボソボソと声が聞こえてきた。

その声は聞き間違えるわけもない、大好きな人の声…

Kn「なか…む？」

この状況で1番会いたくない人物が居た。

Na「え、なんできんときがここに…ケーキ好きだっけ？」

Kn「いや、これにはワケが」

なにか言い訳を…と思った瞬間、女子が俺の傍にやってきた。

女「どうしたのきんとき君。…あ、Nakamu君だ～奇遇だね！」

Na「…あーデート中ね。ごめん、邪魔しちゃった」

いや待ってこれは完全に誤解されるやつ！？

Kn「違う！俺は___」

Na「違くないでしょ！！！」

Kn「えっ…」

突然声を荒らげたNakamuに思わず驚く。すると、Nakamuは「あ、ごめん」と言い残し、行ってしまった。

Kn「待ってNakamu」

しかしNakamuの足は早く、あっという間見えなくなってしまった。…いや、でもまだ間に合う。追いかけなきゃ！

しかし、急いで走りこもうと準備をする俺を

女「行かないで！」

と、女は進路に立ちはだかった。

女「きんとき君は私とのデート中だよね…？というか気を使って行ってくれたNakamu君を追いかけてどうするの？」

Kn「誤解を解きに行く」

女「…Nakamu君が折角気使ってくれたのに？」

…確かに仮にもデート中の男友達に気を使って行ったら着いてこられたら怖いか。

俺は不本意ながらも女の言うことを聞き、走る準備を辞める。

女「良かった。じゃケーキ…」

Kn「俺はNakamuのところに行かないけど帰る。ごめん」

女「…え？」

俺は呆然とする女を放置して去る。正直可哀想…だが、これ以上引っ付かれてあんなことが起きたら困る。

俺は歩き出すために足を踏み出す。すると、足元にあった紙袋に当たった。
中身を覗いてみると、いかにも百合系の表紙とクリアファイルが入っているのが見える。

明らかにNakamuの物だ。

Kn「(…明日、これと一緒に誤解を解くか)」

紙袋を持ち、自分の家へと歩いて帰った。

今日は散々だ…