【WT】恋愛短編のお話③【実況者】 (ページ1)

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なりそこない少女 Sm ページ1

"私は人間と獣のなりそこない"

人間にも獣にもなれない哀れな獣人。

『(なんで生まれてきちゃったんだろ)』

この世界では、人間は動物に絶対的支配をしている。基本食べる目的で殺されるが、少し何かをしでかせば即その動物は殺される。それどころか、娯楽で殺される事だったあるのだ。

そんな中…私が生まれた。

「早く歩け、なりそこないが」

「忌み子の分際で生意気だ」

「早く殺してよ。汚らわしい」

獣人は人間と獣人が結ばれる時、生まれる子供。それは禁じ手であり、基本その生まれた子供は捨てられる。勿論私も捨てられた。

そして今私は…人間にこき使われている。

人間同士でのドレイ関係はない。しかし、ドレイ制度はある。その人間のドレイとなる代わりが私達獣人。だから私も、今こうしてドレイとして生きて…いや、生かされている。

死ぬ事なんて許されない

でも生きていると人間から暴言を吐かれる

だが動物界には行けない

何故ならもう私達動物は人間の支配下に置かれているから

手には神経がおかしくなるほどキツくされた手枷、足には重たく逃げることなど到底出来ない足枷が着いている。

ああ…この人間、この世界は腐っている。早く消えてなくなってしまえばいいのに。

ーーー

「働け、獣人共」

朝早くからムチで打たれ、無理矢理仕事をさせられる。作業は基本家具作りや加工業。獣人は人間や獣なんかより遥かに上であるため、そこら辺の技術は圧倒的に獣人が上だ。

それなのになんで獣人がドレイなのかって？

理由は簡単、人間が1番であり続けるため。そのために動物の頂点である獣人を見世物にして動物に見せつけ、自分達を強く見せている。そのため、獣人は牢屋に入れられ、毎日仕事をさせられ、貧相な食事しか貰えない。醜い人間達だ。

獣人は習わなくても人語が、動物語がわかり、話せるというのに。身体能力は勿論、頭脳も技量も吸収力も回復量も全て獣人が勝っているのに。それを閉じこめ、自ら進歩を止めるなんて…本当に哀れ。

そんな人間の支配下にいる私達獣人の生き様なんて簡単。ひたすら人間の使うものを作らされ、働かされ、死ぬまでこき使われる。だが、回復量の高い獣人はそう簡単には死なないため、100年はずっとこの毎日が続く。

『(こんなの生き地獄…)』

そんなことを頭の中で呟き、獣人の一日は終わる。