【WT】相容れないこそ慈しみがある【実況者】

秘密29 ページ30

【現代の吸血鬼

現代の吸血鬼は昔の形態とはかなり違っている。基本、人と見分けはつかなれけば、鏡にも映るし苦手とされている十字架もある程度耐性を持ち合わせている。しかし、見分けがつかない訳では無い。】


俺は唾を飲み込み、慎重に文章を読み込む。


【現代の吸血鬼は昔と変わらず陽の光に弱い。低体温で肌は白いといった所が特徴的。雨も降っていないのに傘を指しているような人が居れば、疑っても良いであろう。しかし、日射病や吸血鬼とは関係なく陽の光に弱い人間もいるので、断定は決して出来ない。

それに、最近では吸血鬼専用の強力日焼け止めが開発され、配布されている。傘を差しているから吸血鬼というのはもう古い考えと言っても良い。】


Sm「……要するに、低体温で肌が白いってだけが見分けがつくポイントか」


なんて回りくどい文章なんだ。初めからそう書けばいいのに。でも、良い情報ではあるのは確かだ。


Sm「(シャークんはこの現代の吸血鬼と考えても良いのかもしれない)」


シャークんは体育前や体育後は基本的にどこかへ行っている。日焼け止めクリームを塗っていたのだろう。

…いや、俺はストーカーじゃないからな？たまたま気づいただけだから。


だれかに説明する訳では無いが、心の中で自分を正当化する。


…それに、低体温で肌が白いのは昨日改めて確認している。でも、断定は出来ないよな。


俺はもっと確信につけるような情報を見つけるべく、本をペラペラとめくっていく。

すると、タイトルが赤文字で大きく、分かりやすく書かれているページが目に止まった。


【吸血鬼の契約

現代の吸血鬼は契約が存在している。それは、1960年にとある吸血鬼の集団が殺戮をしたことがきっかけである。それは本当に残酷な事件で、述べ300人もの犠牲者が出ている。

神はその行いを絶対的に許さなかった。死や痛みとはほど遠い存在の吸血鬼に、今まで殺してきた人間の死に際の痛みを全てその吸血鬼達に与えた。一日一人分を300日、毎分毎秒永久的に。

全て終わる頃に神はその吸血鬼達の生命を奪った。そして、二度とそれが起こらない為に契約を作った。
それが"吸血鬼と人間が共にあるための契約"】

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