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、、、はぁ。頭が、ぐわんぐわんする。
此処、どこ、、、、、?
「ユンヌ・フルール!!いや、愛しの眠り姫。目を覚ましたかい?」
『....ルー...ク?』
「あぁ、本当に良かった。もう名を呼んでくれないかと.....あぁ、良かった。
ほら、大丈夫かい。辛くはないかな??」
軽く肩を揺られている気がして、暗い暗い闇の中から手を伸ばす。
こめかみを抑えながら、瞼を上げればズイっ、と少々いつもより乱れた綺麗な金髪でも良く似合う、煌びやかな顔が目の前にあった。
またもや幻聴や幻覚かと思って、気が付いたらペタペタと目、鼻、口...へ手が触れていた。
頭が軋んでいくほど、意識がハッキリしてくる
記憶が正しければ彼には数日前に会った。
その時のように、顔のパーツを触る度照れ臭そうに薄く笑う。あ。ほんものか。
キョロキョロ辺りを見回せば 真っ赤な林檎がなった木。
どうやら私は死んでいなかったらしい
勿論、隣に寄り添う彼のお陰で。
片膝をつき、優しく手を握る彼を、狩人であっても、改めて王子様のようだと感じた。
『ルークさん。ありがと、ございます』
「ウィ。当たり前さ。だが...流石の私でも焦ってしまったよ、彼を優先するなんてね。」
「...君のことだ。言葉では言い表せないような、美しい優しさからだろう?
それは良い、でもね。私は、」
「君が紅く染まるのは、一番見たくないんだ」
『...ん。』
「今だけ、許しておくれ。」
ぎゅうっと覆い被さるように抱き締めてくる。
後頭部を緩く掴み、息しているのを“確かめさせて”と言っているかのように深く首元へ耳を沈めた。彼のトクトクと鳴る心臓の音が異様に心地よくて、宥めるように背中に指先を滑らせる。
ごめんなさい、ともう一度呟けば鎖骨に頬ずりして応え 熱を持つ唇を寄せた。
何度も何度もリップ音を鳴らす。
そんな彼を何処と無く小動物のように思いつつ、サラサラと指の間からすり抜け、眠りを誘う香りをふわつかせる髪に顔を埋めた。
「、、、これは約束だよ」
「絶対に無茶してはいけない。良いかい?」
その貫くような真剣な眼差しで言われたら、首を縦に振ることしか私には出来なかった。
彼が稀に向けてくるこの目。それは優しげな目ではなくて、獲物を見据えるような鋭い目
化粧が施してある少しつり上がった形と、怪しげに光る鮮やかな緑色。
視線を逸らさせてくれない程
私を心配してくれたのかな、なんて。
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作者名：愛奈 | 作成日時：2021年1月2日 5時
