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ピンポーン
来客を知らせるチャイムが鳴った。お父さんが来ると言っていた時間よりも少し早い気もする。博士と顔を見合わせると、「お迎えがきたようじゃ。」と玄関の方へ出ていった。星一もそれについていく。
「はーい、……おお、赤井くん!久しぶりじゃのう。」
「……久しぶりだ。……そこの子供は?」
お父さんかと思いきや、扉の向こうにいたのは黒いニット帽を被ったシュッと背の高い男性だった。目の下に隈があるものの、眠そうにはあまり見えない。
「………。え、と。」
「おや、一瞬星一くんの保護者の方が赤井くんかと思ったんじゃがのう。やはり時間が少し早かったし違ったようじゃ。」
「坊や、名前は?」
「……えっと。古谷星一、です。」
「彼は少年探偵団に新しく入った子でのぅ。今日は家で夜ご飯を一緒に食べていたんじゃ。」
「そうだったのか。………赤井秀一だ。FBIの捜査官で、今は日本の警察と合同捜査をするために来日している。」
「FBI!……すごい。日本人でもなれるの?」
「まぁ色々と必要なものを取得して試験に受かればな。……志保。」
いつのまにか出てきていたしほお姉さんは柱に背を預けて、ため息を吐いた。
「せっかくはるばるやって来たのにため息なんてつくなよ。寂しいだろう?」
「来るなんて聞いていないけれど?」
「悪い、急に決まったことでな。忙しくて連絡ができなかった。」
「そう。……あら?」
阿笠邸の前には赤い車が停まっていたが、その後ろにお父さんの車が停まった。
「あ、お迎え来た。」
「「え?」」
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作者名:miya | 作成日時:2023年4月8日 21時