検索窓
今日:13 hit、昨日:11 hit、合計:13,678 hit

20 ページ20

夜の10時を過ぎた頃。
誰かが下のエントランスで部屋番号を押したのか、壁に設置されたモニターが通知を知らせた。お父さんは風呂上がりで脱衣場にいたので、気がついた星一がモニターを覗き込む。モニターには知らないおじさんが写っていた。顎の髭が特徴的だ。
「おとうさん。」
「……どうした?」
「誰か来たみたい。」
「ヒロかな。」
Tシャツにスウェットというラフな格好で脱衣場から出てきたお父さんは、モニターを覗くと通話ボタンを押した。
「悪い、こんな時間に。」
「上がってくれ。」
お父さんがオートロックの施錠を開けるボタンを押すと、モニターの画面は消えた。
「お父さんの友達?」
「ああ。もう上がってくるはずだ。」
ヒロと呼ばれた男性はやがて上がってきたのか、玄関のチャイムの音が部屋の中に響いた。お父さんが開けると先程モニターに写っていた男性が家の中に入ってきた。
「ゼロ、こんな時間に悪いな。明日から非番なんだって?」
「ああ、構わないよ。……星一、僕の幼馴染のヒロだ。」
「は、初めまして。古谷星一です。」
挨拶をすると星一は頭を深く下げた。
「初めまして、俺は諸伏景光。ゼロとは小学生の時からの付き合いなんだ。今日は会ってくれてありがとう。」
「あ、いえ。……。」
優しそうな諸伏さんだが、どうにも会話が続かない。それに気がついてか、お父さんは星一の肩に手を置いた。
「お前が潜ってる間に松田と萩には会った。今度は松田と一緒にベルツリータワーに行くんだよな?」
「うん。」
「え、いいなぁ。もしよかったら今度俺とも一緒に出掛けようか。」
「は、はい。」
「それにしてもゼロの子供かぁ。同期だと2人目だな……1人目だったというべきか。」
「?」
「可愛い。」
「ふぇ!?」
「ヒロ、揶揄うのは大概にしてくれな。……さ、星一。こんな時間まで起きててもらって悪かったな。そろそろ眠くなってきただろう。」
「うん。お父さん、諸伏さん。おやすみなさい。」
「おやすみ。」
「いい夢見るんだよ。」
頭を下げて挨拶したが、手を振ってくれている景光さんに気がついて手を振りかえした。

続く  (更新停止中) お気に入り登録で更新通知を受け取ろう

←19



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (50 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
236人がお気に入り
設定タグ:名探偵コナン , 降谷零
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:miya | 作成日時:2023年4月8日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。