検索窓
今日:15 hit、昨日:11 hit、合計:13,680 hit

18 ページ18

「う、うん。……大したことじゃないんだけど、最近外にいると変な視線を感じるんだよね。」
そっとお父さんの様子を伺うと一瞬ピリッとした雰囲気が出た気がした。何だか言いづらい気もしたが、「具体的にどんな違和感?」と尋ねられたので星一はじんぺーくんに話したのと同じように説明した。
「……じんぺーくんが一回お父さんにも話した方が良いって言ってたから。……あのね、お父さんも忙しいと思うから全然忘れてくれても良いんだけど。「二つほど聞きたいんだが。」
「う、うん。」
お父さんの声は普段星一と話している時よりも何だかピリッとしていた。どちらかと言うと風見さんから電話がかかってきた時の話し方に似ている気がする。スプーンをキュッと握り直して背筋を伸ばすと、お父さんはハッとした様に表情を和らげた。
「あ、ごめん。……星一はお父さんが忙しいと、困ったことがあっても相談しない方がいいと思うか?」
「え?……うん。だってお父さんはお仕事大事だし、余計な面倒はかけたく無いなって。あ、いや。お父さんに相談したくないとかそういう訳じゃ無いんだけど。「僕は。」
「星一が怖いなとか不安だなって思っていることを相談されない方が。……悲しいよ。」
しまったと思った。自分は間違いを犯してしまった。星一は膝の上でぎゅっと手のひらを握ってどうにか不安を堪えた。
「怒っているわけじゃ無い。確かに僕は忙しいし、星一が起きている間に家にいない事が殆どだ。でも。……知らないままだと何もしてあげられない。」
「………ごめんなさい。」
「謝らなくて良い。……でも約束してくれないか。今度もし何か困ったことがあったらすぐ、お父さんにも教えてくれるか?星一が今みたいに話を切り出してくれたらお父さんは必ず聞くから。」
「……うん。」
「ありがとう。」
お父さんは星一が困っていたら絶対助けてくれる。それを理解していたはずなのに、どうしてお母さんといた時みたいに面倒をかけてはいけないと思い込んでいたのか。

19→←17



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (50 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
236人がお気に入り
設定タグ:名探偵コナン , 降谷零
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:miya | 作成日時:2023年4月8日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。