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「いつも手伝ってくれてありがとうな。」
「ううん。……すっごく良い匂いだね。」
「あと少しでできるからな。……あ、サラダ用にきゅうりも切れるか?」
「うん。」
お父さんが星一用の包丁を出してくれた。お父さんが普段使っている包丁よりも怪我しにくくて、手の小さな星一でも持ちやすい作りになっているらしい。よく料理を1人ですることになった星一のために態々用意してくれた。学校で調理実習をし始める頃には、普通の包丁に変えようと言われていた。
お父さんに言われた通りにきゅうりを切ると、夏野菜カレーは完成していて、リビングの机の上には盛り付けられたカレーが並べられていた。
星一も作ったサラダを皿に盛り付けて机に並べた。
「いただきまーす。」
「はい、どうぞ召し上がれ。」
スプーンで一口掬って食べると旨味が口一杯に広がった。その感覚につい目を見開く。お父さんは、ふっと微笑んだ。
「おいしいか?」
「うん。」
「それなら良かった。おかわりもあるからたくさん食べるといい。」
不思議なもので、カレーは無我夢中で食べているといつの間にか半分ほど減ってしまった。せっかくお父さんと食卓を囲んだのだから何か話しかければ良かった。でもお父さんも無言でカレーをかき込んでいたし、話しかけない方がいいかもしれない。一瞬迷ったその時、顔を上げたお父さんと目があった。
「……きょ、今日はお仕事もう戻らない?」
「ああ、今日から……そういえば後で。10時とかになると思うんだが、僕の幼馴染が家に来ることになった。」
「お父さんの幼馴染?」
「ああ、急に決まったことだったけど良かった?」
「うん、僕邪魔にならない様に部屋にいるね。」
「あ、いや。そうじゃないんだ。……星一さえ良ければ会ってほしくて。悪い奴じゃないし。」
「良いの?」
「ああ。松田や萩原とはまた違ったタイプだが、是非仲良くしてくれ。そういえば夏休みは松田達と出掛けないのか?」
「今日じんぺーくんと電話した時に、今度東都ベルツリータワー行こうって約束した!」
「……それは良かった。」
お父さんは目を細めてにこりと笑った。何だか珍しく、安室さんのふりをしている時の笑い方に似ている気がした。「松田と電話したんだ?」と尋ねてきたお父さんに「うん。」と答えつつ、電話の本題を思い出して話を切り出した。
「あ、あのね。じんぺーくんには電話した時に話したんだけど。最近少し気になることがあって。」
「気になること?」

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作者名:miya | 作成日時:2023年4月8日 21時

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