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「星一、ただいま。」
「おかえり、お父さん。」
お父さんはメールで教えてくれた様に7時過ぎに家に帰ってきた。最近のお父さんにしては早い帰宅だ。
「今日は特に変わったことはなかったか?」
「うん。……あ、今日は図書館に行ったんだけど、その帰りに赤井さんに会ったよ。」
「赤井に?」
「うん、明日アメリカに帰るって言ってた。」
黙っていて後から知られた時に面倒くさいと思い、赤井さんにあったことは正直に話した。お父さんは案の定赤井さんに会った事に食いついてきた。
「何か話したのか?」
「図書館に行った話とか、あと……。」
「あと?」
アメリカにおいでと誘われた事を思い出したが、お父さんのちょっと怖い顔にすくんで言えなかった。代わりに今日覚えたことをお父さんにも教えてあげることにした。
「夏休みってサマーばけえしょんっていうらしいよ。」
「……っふは!そうだな、うん。」
「何で笑うの!」
「いいや、勉強になった様でよかったな。……もういい時間だしご飯にしようか。」
「うん。……今日のご飯なぁに?」
「今日は夏野菜カレーを作ろうか。星一が食べやすい辛さで。」
お父さんは買ってきたのだろうナスやピーマン、鶏肉をサッと切ってあっという間に炒めたり煮込んだりし始めた。マイバックの中にはレタスも入っていたので、星一はサラダを作るのを手伝った。
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作者名:miya | 作成日時:2023年4月8日 21時