5 ページ39
「降谷さーん…一回家に帰られて、寝たらどうですか…？」
家を出てから三日、俺は書類の山と闘っていた。やっても減らない書類ばかりだ。
組織を壊滅させてからは現場に出ることも減り、役職上書類の量が増えた。サインだけの物もあるが、厄介な報告書もある。中にはあの例の上司に押し付けられた分もある。やっと終わりが見えてきたところなのだ。
「いや…寝たら起きられなくなりそうだから
少し休憩するよ。付き合ってくれないか？」
「いいですよ…ブラックでいいですか？」
「ああ」
風見が企画課の中にあるポットでインスタントコーヒーを入れてくれた。目が少し冴えていくのが分かる。
「風見の所の息子は5歳だっけ？帰らないと忘れられちゃうんじゃないか？」
「ははは、多分忘れられてますよ…。いつもママ〜とは言いますけどパパはないですからね…」
「うわぁ、辛いなぁ」
「降谷さんの所はどうですか？最近はうまくやれているんですか？」
ふと、今家で一人で留守番しているだろう娘が思い浮かんだ。
「最近交換日記を始めてな…」
「交換日記…ですか？」
「ああ、娘から提案してくれたんだ。近況や娘の新しい一面を知れて嬉しいよ。最後に見たやつは入る部活を迷ってる的な内容だったな…」
「楽しそうですね、いいなぁ。うちの息子もやってくれないかな…」
…そういえば。ふといつしか気になっていたことを思い出した。
「なぁ風見。……俺まだ一回も美桜にお父さんともパパとも呼ばれたことない…かも。」
「…え？それで会話は成り立つんですか？」
「ねーねーとか呼ばなくても成り立ってはいるけど…父親の固有名詞を意図して避けてるのか？」
「あー…降谷さんの家は事情が複雑ですからね。呼びにくいかもしれないですよ？」
「そうか。……あー、でも一回くらいは呼ばれたいなぁ…。」
「2ヶ月も一緒に住んでいますよね…？流石に呼ぶ機会はあると思うんですが。」
「そう…だよなぁ」
「…そこまで悲観なさらなくてもいいと思いますよ！あまりにも気になるなら美桜さんに直接聞いてみたらいいんじゃないですか？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 86人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
絵理奈(プロフ) - コナン（新一）、昴さんとか出さないのですか？コナンだと、まさかっ組織の残党！？って思考になって (2019年8月20日 9時) (
レス) id: e2382ac4cf (このIDを非表示/違反報告)
桜山 もち丸(プロフ) - 明里香さん» ありがとうございます！文を大幅に変えた際に直させていただきました！ (2019年5月8日 21時) (レス) id: b371b1aeb6 (このIDを非表示/違反報告)
闇病み(プロフ) - 30ページで泣いた。感動する。降谷さあ''あ''あ''ん頑張ってくださいいいい更新頑張ってください！ (2019年5月8日 16時) (レス) id: edc146277d (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 3話の最後のページに誤字がありました。「勝っていた犬」ではなく、「飼っていた犬」です。 (2019年4月3日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：桜山 もち丸 | 作成日時：2018年10月3日 22時
