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「三発勝負したところで、松田が2回もピンポイントで真ん中当てるから俺と10点差!あと2発で勝てる気がしない……。」
松田さんが真ん中を2回も当てているとはいえ、それ以外に撃ったのは2人とも惜しいところで真ん中をスレスレ外しているくらいだ。さすが警察官。狙うべきは真ん中のみと言わんばかりだ。どうやら2人は最初から黒板のランキングの1位を目指して勝負していたらしい。
「さあ、諸伏。さっきはよくもコケにしてくれたな。絶対この勝負俺が勝つ。4発目の勝負だ。」
「松田、お前ゼロよりも負けず嫌いだな。」
「ほら。お前からだろ。」
「わかったよ……。」
ブツブツ言いながら諸伏さんは結局、真ん中に見事に当てた。
「よっしゃ、これで同点だな。」
「マジかよ、逃げ切らないとやべぇな。」

頭をぐしゃりとかいてから、陣平くんはゴム鉄砲を構えた。ふと皆が陣平くんに注目したことで、先程ひまりに言われた言葉をつい意識してしまう。

『彩葉は松田さんが好きなの?』
『今からそういう対象で見てみたら。』

そっか。そういえば平次兄ちゃんのことばっかり考えてて陣平くんをそういう目で見たことがなかった。そもそも友達とかお兄さんに近い感覚だったし。
ゴム鉄砲を構える姿勢がカッコいい。シャキッとしていて真剣そのもので。なんというか——。
「父ちゃんそっくりや。」

バンッ

私が言葉を発した直後、陣平くんはゴム鉄砲を撃ったが見事に外した。的のどこにも掠っていない。
「あ。」
「え。」
「ふはっ!あっはは!松田、外してんじゃん!」
「ちょっと彩葉、急に変なこと言わないでよ!」
外したことに陣平くんは固まってたし、そして諸伏さんは面白おかしそうに大笑いしていた。ひまりもお腹を抱えて大爆笑している。2人が爆笑しているのを横で、陣平くんは彩葉を見て硬直していた。
「父ちゃんって……遠山部長?え、俺そんな年老いて見えたか?」
「え!そ、そういう意味じゃないんよ。ごめん、つい口から漏れてしまって。昔テレビで警察の特集やってた時に見た父ちゃんのかっこいい姿とそっくりだったから……。」
慌てて言い訳を口にすると陣平くんはホッとしたような表情を浮かべた。
松田「あ、ああ、そういう意味か。それならむしろ嬉しいわ。」
「本当?よかった。」
「ふはっ!松田、よかったな。でもこれで同点だ。最後の勝負は俺からでいいか?」
「まだ笑ってんじゃねーか。お前からでいいぜ。」

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作者名:miya | 作成日時:2018年9月23日 9時

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