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「せや、陣平くんご飯食べれてへんやろ。お粥とかおかずをその……勝手に作ってみたんやけど、食べれそう?」
「……!?ありがとな、助かる。ここ数日全く食べてなかったから。」
「……やっぱり!台所が綺麗やったさかい。そうかもしれへんなって思ったんや。お粥もっかい温めたら食べる?」
「……食べるけど……1人は嫌……。」
「……え?」
一瞬思考が止まりかけた。普段松田さんが絶対言わなさそうな言葉が聞こえてきたんだけど。
「お前も一緒にご飯食べてけよ。熱もかなり下がったし、帰り送ってくから。」
「……いや、それはいい!まだゆっくり休まないと……でも。ご飯は食べていこうかな。」

陣平くんはいつもは頼りになるけれど、今日は逆に頼ってくれて少し嬉しかった。だからその頼みをちゃんと叶えてあげたい。
「お、おう。ありがとな、彩葉。」
「じゃあ、お粥あっためてくる。陣平くんはしばらくゆっくりしとき。」
「ん。」

お粥を温めてる間、陣平くんはリビングのソファにもたれかかってテレビを見ていた。どうやらニュースを見ているらしい。職業柄だろうか、父ちゃんもよく見ていたし。難しそうな顔してるのもよく似ている。
ニュースから流れていたのは、この間犯人が捕まったという連続爆弾事件だった。東都内に3箇所あったらしいが、どの爆弾も爆発する前に優秀な警察官が処理したらしい。
爆弾処理班って言っていたし、もしかして陣平くんも関わっていたのかもしれない。
「……いい匂い。」
「え、あ。ありがとう。あっためたから食べよ。」
「おー、うまそうだ。」
「当たり前やん。簡単な料理ならもう完璧に作れるんよ!」
「すげーじゃん、じゃあ。手を合わせて。」
「はい。」
「「いただきます」」

陣平くんはいつもよりはゆっくりだったけど、普通に食べていた。回復してきたみたいだ。陣平くんが途中で「お嫁さんもらったらこんな感じなんかね。」と変な独り言を言うから、咽せかけた。
「……ま、まあ。私には分からへんけど。似た感じになるんとちゃうかな。」
「……そっか。」
「陣平くんは彼女いないの?」
その質問に今度は陣平くんが、不自然にお粥を飲み込んだ。
「んっ、ゴホゴホっ!」
「だ、大丈夫!?水!」
水を飲ませると陣平くんは「いねえよ、そんな奴!」と言い放った。別にいても何も思わないけれど。
「生憎片想い中でな。そいつを振り向かすために必死だよ。」

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作者名:miya | 作成日時:2018年9月23日 9時

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