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「…なんやと。東都の高校に行きたい！？」
「またなんで急に…改方に行くーってあんなに張り切ってたやないの。不安にならんでもあんたなら余裕でいけるよって。」
次の日。私は姉ちゃんが不在の時を見計らって、両親に進路を変更したいと伝えた。当然驚かれた。
「今までは姉ちゃんが通っとるからって適当に決めててん。でも本当はもっと行けるところまでチャレンジしてみたいねん。」
「それなら改方やないにしても、他の大阪の高校やあかんのか？大阪にも高校は仰山ある。大阪で良い学校があらへんのやったら京都に繰り出してもええやないか。お前の成績ならこの辺りはどこでも行けるやろ。」
私の成績はどの教科もほぼ満点だ。内申点も問題ない。「改方は成績と比較して低すぎへんか？もっと偏差値の高い高校でも十分や。」と担任の先生にも夏の三者懇談で言われていた。
「勿論調べてんけど近隣の高校は特に……。それにな、私もそろそろ自立するべきやと思うねん。」
「あんたそんなこと言って、まだ中学生やないの。」
「将来行きたい大学のために、東都の高校に行きたいねん！あかん？」
これら全て昨日考えた言い訳だった。この東都行き、なんとしてでも許可を取らないといけない。私は予め作戦を綿密に練っていた。
「彩葉の行きたい大学ってどこや。聞いたことあらへんけど。」
「えーっと……あんな。トウトダイガクゥ。」
棒読みだった。大学名までは流石に考えてなかったので、咄嗟に思い出した東都大学の名前を出した。父ちゃんは目をひん剥いて湯呑みをひっくり返し、母ちゃんは立ち上がってた。
「はぁ！？東都大学！？……あんたの成績ならいけるやろうけど。」
「大学を見据えて高校から東都に出て慣れときたいねん！」
「うーん。そこまで言うなら母さんは何も言わんけど。きちんと考えた結果なんやろ？」
「もちろんそうや。」
「……そうやな。父ちゃん寂しいねんけど…」
「…じゃあ東都の高校でもいいん？」
「「どうせ止めても聞かんやろ？」」
「ありがとう！あとな、この事姉ちゃんには内緒にしててくれへん？」
「え？なんでや。姉ちゃん悲しむで？」
「うーん、でも私が改方辞めたって知ったら、姉ちゃん悲しむやろう？やから東都に行く直前に言いたいねん。」
「……まあ、しょうがないな。お母ちゃんは言った方がええとは思うけど…」
これで大阪から出ることができる。私は両親に罪悪感は抱いたものの、逃げられることに安心した。
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作者名：miya | 作成日時：2018年9月23日 9時
