4 ページ22
「ただいま〜。」
「お帰り、彩葉。疲れたやろ。スイカ買うてきてあるで。」
「やった、スイカー！」
私は８月の最初に1人で帰ってきていた。
一緒に来るはずだったひまりは、担任に呼び出されてしまったので最初の3日だけ一人で帰ることになった。3日目の夕方に大阪に着く予定で、私が新大阪駅まで迎えに行く手筈になっている。
「まあ、ゆっくり過ごしたらええわ……って言いたいとこやけど色々行くんやろ？久しぶりの大阪、楽しみなさい。」
「ありがと。早速やけど琴乃に会うて来るわ。」
「はいはい。気ぃつけてな。」
「はーい、ほんなら行ってきまーす！」
家の近くの公園で琴乃とは待ち合わせてた。
懐かしい。中学を卒業するまで、毎日帰りに15分だけ琴乃とこの公園でお喋りしていた。2人の分かれ道の一歩手前のココ。帰り道だけでは喋り足りなくて、この公園でも喋ってから帰っていたのだ。
「待たせたな、いろちゃん！……ふふ、久しぶりに会うたね。」
「ほんま久しぶりやなぁ。少し大人っぽくなった気するわ、琴乃！」
「嬉しいわぁ。いろちゃんはちょっとだけ背伸びたな。」
「ほんま？よっしゃーー！！」
「会うたのは久しいけど毎週電話してたし、そんな特別話すことはないなぁ。」
「せやな。」
お互い目を合わせるとニマリと笑った。
「確かにそうやな。」
私たちは結局自販機で缶ジュースを買って、かつてと同じようにベンチに座っておしゃべりすることにした。
「ひまりちゃんかぁ……会うてみたいなぁ。」
「明後日大阪来てくれるで。会う？」
「会う会う！……なあ、いろちゃん。平次先輩には会わへん予定？」
「……会わへん予定や。明日はお父ちゃんが服部のおじちゃんを夜に連れてくるみたいやけど、うちは会わへん。」
「そっかぁ……。」
「あ、そういえばな！うち東都で仲良くなった男の人がおるんや！」
「え？誰や誰や。どない人？」
「陣平くんってゆうてな、父ちゃんに紹介して貰ったんや。警察官なんやけど優しくてフレンドリー。でも見た目はイカつい……こないだもな、陣平くんとその友達で出かけてん。楽しかったで。」
「へえ、いいなぁ！」
「ひまりと仲良くなれたのも陣平くんのおかげなんやで。色々とアドバイスしてくれたんよ。」
「そらええ人に出会えたな！友達としては嬉しい限りや！」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 47人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：miya | 作成日時：2018年9月23日 9時
