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「良かったやん、もういろちゃん何も言わへんから心配しとったんやで!」
「堪忍堪忍、でもクラスの子皆すごくいい子やったで!いつか琴乃にも会わせたいなぁ……。」
「それならうちが東都行った時にでも紹介して〜。」
「うん、ありがとう。心配してくれて。」
「ええって。幼馴染を心配するのは当たり前のことやろ。」
一週間ほど経ったので、大阪、改方学園に通う親友の大山琴乃に電話をかけた。やっぱり久しぶりに聞く琴乃の声は安心する。
「上手くいっとるみたいで良かったわ。安心した。……そうや、学校でな。服部先輩にあんたの事聞かれたで。」
唐突に出て来た平次兄ちゃんの名前に思わず体がピシッと固まる。息が詰まったのが自分でも分かった。
「……え?なんか言うてた?」
「うん。何にも聞かんうちに東都に行ってまったけどほんまに行ってまったんか!?って偉く驚いてはった。ちゃんと答えといたで!東都の帝丹高校ですって。」
「そ、そっか。琴乃にも迷惑かけて堪忍や。」
「ええんやて、じゃあそろそろ切るで!また電話しよな。」
「うん、おおきに。ほな。」
耳からスマホを離し、電話を切る。
私まだ吹っ切れてないんやなぁ。ついため息が溢れる。平次兄ちゃんの為にも姉ちゃんの為にも、早くこの恋心を捨てるべきだって分かっているのに。

落ち込みかけたその時携帯の画面が、通知音と共にピカリと光った。メッセージが届いた様だった。無意識で携帯を立ち上げてみると、ひまりからのメッセージに新着があった。
『明日のスポーツテストって持ち物あった?』
そのメッセージに『体操服、それから日焼け止めは必須』と送り返す。
『日焼け止めこの時期は忘れそうだもんね、ありがとう。』
『いいで〜!』
『終わったら自販機の缶ジュースで乾杯しよや!笑』
関西弁、使うてくれとる。自然と笑みが漏れた。ひまりのメッセージに返事をした後、松田さんにまだお礼を言っていないことを思い出した。
連絡帳から松田さんのメールアドレスを開き、メールを作成する。
「『松田さん、友達できました!アドバイスしてくれてありがとうございました。』、と。」
送ってスマホの電源を落とすと、すぐに返信があった。ほんの数秒だ。メールにしては速すぎる。
『良かったじゃん。お前が頑張ったからだよ』
松田さんの返事にあったかい気持ちになった私は、スマホを充電器に繋ぎ深い眠りについた。

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作者名:miya | 作成日時:2018年9月23日 9時

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