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「甘えても...いいの？」
まだ年端もいかぬ少女だ、それなのに悲しそうに、寂しそうに顔を地面に向ける。
「あたりまえよ！」
「あたりまえだってばさ！」
「まぁそういうことだ。火影様には俺が影分身で伝えておこう」
影分身をだし、走らせる。Aは驚い様子で「これが忍術」と呟いていた。
あくまでも推測だが、この子は敵じゃない。チャクラを目っている様子もないし、先程の表情が嘘には見えない。
「あ。そうだ、多分個性とか言われても信じられないと思う。ちょっとそれ貸してくれる？」
大人しくクナイを貸すナルト。俺たちの視線はクナイに向いていく。
Aは躊躇いもせずに二の腕から手首にかけ思いっきりクナイで切りつけた。
「流石に痛い...」
ボタボタと血が溢れていく。サクラがすぐに回復させようとするが、それよりも先に傷はじわじわと治り、四秒もせずにまるで傷なんて最初からなかったように白く綺麗な肌になっていた。
「あ、服も破れちゃった」
「傷を直すだけなら小さい傷でもよかったでしょ」
つい口に出してしまった。疑問だったからだ、この思い切りと一度も躊躇わなかったこと。
「小さい傷だと信憑性が減る、やっぱり大きい傷が一気に治った方がすごく感じるしね」
「もう！ビックリしたでしょ！？」
「はは、ごめん。大丈夫だよ。頭貫かれても、心臓突かれても相当のことじゃないと基本死にはしないから」
「死には、ねぇ」
死にはしない、という言葉がひっかかる。
「まぁ、傷が残ったり、後遺症が残ったりはするけどね。これでも個性、つよくなったんだ」
影分身が消えたのか、あっちでの記憶が入ってくる。成る程、流石綱手様だ。
「火影様から返答がきた」
「えっ！？」
「ばあちゃんはなんて！？」
「焦るな。俺が監視することを条件に里への入国を許可する。だったさ」
俺が監視とはいっても、もちろん任務がある。そして夜もとなると、一緒に住むことになる。こんな若い子がおじさんと一緒とか嫌でしょ...
「っしゃあ！良かったな！A」
「うんっ！」
「先生、変な気起こさないでくださいよ？」
「失礼だねー」
「っと、それより！Aも腹減ってるみたいだし！一楽行こうぜ！一楽！」
時刻は十三時。まだ昼も食べていないのでたしかに少し腹が減ってきた。ちらっと三人を見ると、もう行く気満々で、ナルトは嬉しそうに一楽の説明をしている。
「よし、今日は俺がおごってやる」
「やったー！カカシ先生さんきゅー！！」
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作者名：春雨 | 作成日時：2020年9月6日 17時
