悪役ヒロイン

気になっていた事(タカシSide) ページ37

「松尾太陽くんいますか？」







俺の教室に訪ねてきたのは笹田さんと同じクラスの









「ここにいますけど…どうしたんですか？」








村田祐基くんだった








…









…









…









「あの…一緒に帰るんは別にええねんけど…なんでいきなり…？」







祐「いや…あの…別れたって聞いて…ほんとかなって…気になって…」







今日一番色んな人に聞かれた話








多田さんとの別れ話








「ほんまやけど…聞きたいのそれだけ…？」









祐「いや…！もう一つ…！なんで別れたのかなって」








そう言いながら俺の目を見た








「なんで知りたいん？」








祐「……なんとなく」







「知りたかった事がやっと分かったからって言ったら納得する？」







祐「納得する前によく分かんないや笑」








「俺な、初めはよく分からんかってんけど俺好きな人おるねん」








稜雅に言われて、自分の気持ちがやっとハッキリ分かった






祐「どういう事？」








「初めはその人の事助けてあげたいって思っててん。でもな薄々は好きなんかなって気付いてたけど、やっぱり違うんかなって……でもな前に友達に言われてやっと好きなんやって確信して」








祐「その…好きな人ってどんな人？」









「見た目はクールで不思議やねん。でも優しくて、自分より他の人を優先する人で、たまに笑った顔がめっちゃ可愛いねん！」









祐「そっか…助けようと思ったのはなんで？」







「昔の俺とちょっと似てるとこがあったからかな」






強がって弱いところを見せようとしない笹田さん





昔の俺とそっくりやった






俺は一緒におってくれる友達がおったから大丈夫やったけど







あの時の笹田さんは今にでも壊れてしまいそうで







ほっとけんかった





前々から不思議な人やなって気になってはおったけど、なかなか話しかけれんくて…








でもあれから、ちょっとだけやけど話すようになって





もっと一緒におりたい、そばにおりたいって思うようになった









そして俺はずっと気になっていた事を口にした






「村田くんって…笹田さんの事好きなん？」

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