パズルの欠片－ only one － (ページ43)

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ゆうside

－ 1年前－

「後ろで彼氏さん待っとるよ？

　カッコいい彼氏に会いたいんじゃろ？

　痛いみたいだからもう離してあげて？」

優しいトーンの優しい声が後ろから聞こえて来た。

… えっ… この声って…。

その言葉でまいの腕の力が抜けて、

やっと解放された私。

まい
「…ゆう、ごめんね。壱馬の所に行ってくるね。」

私に謝って、壱馬くんの所に走って行ったまい。

真っ赤な顔を見られないようにかな、

壱馬くんにダイブして顔を胸に押し付けてる。

本当に可愛い子だなぁ…。

それと同時に肩に乗ってた手が私の肩から離れて。

我に返って後ろを振り返ったら、やっぱり。

山彰さんだ…。

少し困り顔かな？

色々迷惑かけちゃったよね…。

ゆう
『…あ、ありがとうございます。山彰さん。』

彰吾
「…………………。」

あれ、少し怒ってる…？

一瞬目を逸らして、また私の目を見てくれた山彰さん。

彰吾「彰吾でええよ。」

ゆう『え？』

彰吾「さん付け、せんでええよ。」

ゆう『あっ。彰吾…？』

またどこかに目を逸らして、

声は出さずに、微笑んで頷く…彰吾。

何も言わないの？ …目がお口なの？

私、一人で話して恥ずかしくなっちゃうじゃん…

でも、どうしてだろう？

騒がしくなってた私の心が大人しくなってるかも。

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