【鬼滅の刃】氷雪は降り積もる〜その参〜【不死川実弥】 (ページ33)

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第112話ページ33

尼宮が体を貫かれた、動揺するには十分だった。
俺は腕を抜かずに尼宮を抱え、離れる。

実「…」
伊黒「不死川…！」
実「……」
敢「なンだ？どうしタ、そノオンなが傷ツイて動ヨウでもしたカ？はははははハハははは！！！自業自得なンだヨ！！！女のブんざいでェ！！！俺ヲ黙すかラこうなル！！！！」

狂ったように笑い声を上げる神代敢。
そいつをただ見つめるだけだった。

敢「おレをこロしたいナら！！横じャなくテ、タてなんダヨ！！！ひゃはハハははは！！！」
実「そうか」

頭を抱え楽しそうに笑う神代敢を縦に斬る。

敢「………ァあ？」
実「耳障りな声上げんな、とっとと消えろ」

縦に斬ると氷漬けにされた心臓が出てきた。

伊黒「これか」
敢「そ、レはァ……」

その心臓は伊黒が粉々にした。
呆気なく神代敢は灰になった。呆気なかった、本当に。
此奴を消すのに時間をかけたのに、消すのはこんなにもあっさりだったとは。
俺は寝かせてる尼宮の所へ歩み寄る。

実「………尼宮………終わったぞ……」

呼んでも返事はなかった。

実「寝てんじゃねぇよ、さっさと起きろや」

その顔はまるで、眠っているようだった。

実「……っ」
伊黒「……」

俺は何も伝えられず、また大切な人を失った。
俺は後どれだけの大切な人を失えばいいんだ？
もう、失いたくなかった……！！

実「くそが……くそがァァァア！！！！！！」