8話 ページ8
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そこからしばらく経ち、少しずつ慣れてきた頃。
「あ、おはようございます」
メイクルームで準備をしているところにやってきたのは重岡さん。
重岡「ん、はよ」
無視こそされないものの、どう考えても嫌われているのがわかるってくらいの冷たい態度をとられることにももう慣れてきた。
まあでもそんな態度を取られるのも仕方がないことだとは思う。
誰よりもアイドルを貫く重岡さんが、私を嫌うことは予想していた。
先輩の綾瀬さんも、
�狃轍�と仲良くなるのは多分無理だろうし俺に任せてくれればいいからさ。仕事だし、さすがにあいつもお前のヘアメイク拒否するとかはないと思うから��
そう言っていたから。
わかってはいたし、覚悟もしていたけど、正直傷つかないわけはない。
「今日は綾瀬さんいないので私が担当します」
重岡「あーそうなんや」
チラリともこちらを見ない重岡さん。
「要望とかありますか？」
重岡「適当に。なんでもいい」
…これは通常運転らしいけど。
続く沈黙。
ずっとスマホを触っている重岡さんと、黙って作業を続ける私。
どうにも気まずい雰囲気の中、
神山「あれ、まだしげしか来てへんねや」
途中で入ってきたのは神山さん。
…助かった。
そこから重岡さんは隣に座った神山さんとずっと話をしてくれていて。
気まずい雰囲気が流れなくて済むからありがたい。
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作者名：ひのりーる
| 作成日時：2020年7月26日 20時
