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34話 ページ34
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重岡「なあ、楽譜、読める？」
雑誌の取材。
いつものようにヘアメイクをしてもらっている時にそう話しかけた。
「…え？」
全く会話をしない状態ではなくなってはいたけど、そんなことを聞いてくるとは思っていなかったのだろう。
鏡越しに驚いた須藤と目が合って。
「…読め、はしますけど」
目線を逸らし、作業が続けられる。
重岡「これ、見てほしいねんけどさ」
カバンから出したのは、俺が書いた手書きの楽譜。
重岡「曲、作り途中やねんけどここから先に続くいい音が思いつかへんねん。
この流れで思いつく音とかリズム、ないかなー思って」
黙ってしまった須藤の手は完全に止まっている。
重岡「…まぁ、思いつかへんねやったらええねんけど。また練り直すわ」
目の前のテーブルに楽譜を置いた。
須藤は再度手を動かし始めたけど、目線は楽譜に注がれていた。
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作者名：ひのりーる
| 作成日時：2020年7月26日 20時
