30話 ページ30
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________ドーム公演が無事終了し、各自解散、となったわけだけど。
私の目の前に現れた藤井さんは
藤井「…なあ、なんで別れたん？」
そんなことを言い出した。
「えっ、と…？」
望とのこと？だけどそれは知らないはず…
藤井「他のメンバーには言うたりしてへんし、望も覚えてるかどうかわかれへんけどさ。
せやけど俺、会ったことあんねん、Aちゃんに」
そんなこと、あったっけ…
「…覚えてないですごめんなさい」
藤井「まあ別にええねんけど。チラッと挨拶しただけやし普通忘れるか」
「いつ、ですか？」
藤井「…5年前？とかやったかな。
望の足にされたとき、送り届けた先におったAちゃん、紹介された」
…思い出した。
待ち合わせに遅刻してきた望が 車から藤井さんを引っ張ってきて紹介してきたことがあった。
藤井「『友達ー！』言うてたけどバレバレよな。付き合ってたんやろ？」
「なんで、そんなこと覚えてるんですか」
藤井「…より戻したらええのに」
会話になってない。
「…余計なお世話です」
藤井「はは、せやね。
別に他のメンバーに言おうとかそんなんちゃうから。純粋に不思議やってん。別れる気配なんて1ミリもなかったのになーって思っただけやから。」
笑顔でそう言う藤井さんに、私は言葉を返すことができなかった。
藤井「ほんならまた次の仕事んときな、おつかれ」
爽やかに去っていった藤井さん。
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作者名：ひのりーる
| 作成日時：2020年7月26日 20時
