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29話 ページ29
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side A
重岡さんが私のことを受け入れてくれるようになった。
「望が言うてくれたんやろ？重岡さんに」
望にメイクをしながら聞いて。
小瀧「んー？なんの話？」
とぼけてるけど、昔から本当に嘘をつくのが下手なんだから。
「…ありがとうな、ほんまに」
小瀧「よーわからんけど どういたしまして」
照れているときにするこの表情も あの頃と全然変わらない。
「よし、世界一かっこいい男になった！キャーキャー言われておいで！」
背中を軽く叩き送り出す。
キラキラと輝く望は本当にかっこよくなった。
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私が苦しいとき、ずっとそばにいてくれたのは望だった。
優しい声で、毎日いろんな話をしてくれて。
私の左手に優しく触れてくれて。
望がいなかったらきっと今私はこうして立ち直ることはできていない。
大切な、存在。
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作者名：ひのりーる
| 作成日時：2020年7月26日 20時
