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「……………」
何も言わずにセンパイから目をそらす。
だだだって生活用品早めに買いに行かないとだし？
き、緊急事態だし？
「……安心してくださーい。ちゃんと有給とりましたから」
「意味わからないんだけど」
場を和ませるために言ったジョークを瞬殺したセンパイ。
……そんな目で見ないで照れるわ。
僕らの間に気まずい空気が流れる……と言っても、別にセンパイは気まずくないだろう。ずっとこっち睨んでるし。
……不意に、センパイが大きく溜め息をついた。
それと同時に、僕も肩の力を抜く。
うん。これはきっと許してくれるっていうサイ……
「明日書類十倍だから」
「……………やめてー、死ぬー」
ンじゃないよねなんとなくわかってたよ！！ 十倍とか！多すぎでしょ！？
とは思うものの、そう言い返せば戦闘を要求されることは目に見えている。
さすがに怪我人(仮)を戦わせる、というか戦う訳には、ねぇ？
は優しさで、保身ではなく優しさで言っただけだからね！？
……って、あれ？今僕結構重要なこと言ったような……
……あ。
「……センパイ、怪我、もう大丈夫なんですかー？」
……そうだ、そうだよ！ この人怪我人じゃん！！
昨日骸に骨何本も折られてたじゃん！
そう思いながら、改めてセンパイをよく見ると、体の傷は服で隠れているものの、顔に湿布のようなのをつけていた。
いや、ね、顔怖すぎてよく見れてなかったんよ！ めっちゃ睨んでたし。
……ん？ 骸達も怪我してるはずなのになんで気づかなかったのかって？
いやー骸達は僕が作った特製の包帯を巻いててね、一日で良くなったんだよ。
ちなみに、晴、雨、雲の炎を包帯に留まらせて作ったんだよ。いやー、布の方作るの大変だったわー。すぐ燃えちゃうし。
え？ どうでもいい？ ……はい、ごめんなさい。
「当たり前でしょ」
いや、常人には到底無理っすよ？
「……いやいや、入院とかしてた方がいいと思うんですけどー」
「やだよ。群れたくない。それに君、本当に心配して言ってるの？」
「ヤダナー、アタリマエジャナイデスカー」
あっ、やべっ、つい片言で言っちゃったわ。
僕の言葉に、センパイは口をへの字に曲げた。
チッ、入院したら書類十倍なしだって思ったのばれたか。
……まぁ、でも、
「……本当ですよ、センパーイ。僕の方こそ、朝センパイが病院から抜け出したって聞いてびっくりしたんですからー」
今日の朝、ボンゴレの救護班に電話したらそう言われて、びっくり半分呆れ半分な気持ちにさせられたんだから。
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作者名：夢うさぎ | 作成日時：2019年5月3日 19時
