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てくてくと無駄に広いデパートの中を歩いていく。
いや、ほんと無駄な感じなんだよ！！なんで百均が8店舗もあんの！？
広くて期待していた分ショックも大きく、内心半ば逆ギレしながらも近くの適当な店に入り、ポイポイと生活用品をカゴの中に放っていく。
「ぷっ。これあの
「……ハァ。またですか…」
僕が手に取ったのはマグカップ。
-----趣味の悪い、パイナップル柄の、ね。
さっきの腹いせに、犬の生活用品はことごとくナッポー柄の物にすることにした。
骸は最初はいちいちキレていたが、もう悟りをひらいたらしく、今は死んだような目でカゴの中を見つめていた。
わかるよ……あの中でツッコミひとりなのが大変だよね……。
だがしかし、僕はボケ続けるよ！！ それが宿命だからね！！
自分でも訳のわからないことを考えながら選んでいくうちに、もうあらかた必要な物を買い終わってしまった。
「えっ…？何ですかこのオチー。わざわざ買い物に来たのに、これで終わりですか……？」
「当たり前でしょう。そのために来たんですから」
さも当然、という風に言い放つ骸に、軽く、本当に軽ーく腹パンする。
「う"っ！！」
つぶれたカエルの鳴き声のようなものが聞こえたのは気のせいさ☆
あれ、つぶれたカエルって死んでるから鳴かなくね？
「さーて……これからどーしましょーかねー」
「帰りましょう」
「うーん、そうだなー。とりあえず、地下行ってみましょうかねー」
「無視しないでください！！」
デパ地下といえばスイーツだよね！！
ここ、無駄に同じ系統の店が多いしもしかしたら…
と、小さくさりげなくフラグをたてながらも、骸の後ろえりをつかみ、エスカレーターまで引きずっていく。
「苦しい！ A、貴方わざと首絞めようとしてえり持ってますよね！？ それに、僕の方が身長が高いんですから、そこを引っ張らないでください！！」
公衆の面前で自分より小さな女子に引っ張られるのが恥ずかしいのか、顔を若干赤くしながら耳元で言う骸。
ふっ……残念だったな、僕にはなんのデメリットもないのにやめるわけないじゃないか！！
つーか若干メリットあるし……骸が恥ずかしがるとか激レアじゃないか。
「安心してくださーい。誰も骸が黒曜生だなんて思いませんよ、きっとー」
「今わざと大きな声で言いましたよね！？」
……あはっ★
ショッピングって、楽しいね！！
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作者名：夢うさぎ | 作成日時：2019年5月3日 19時
