hit記念番外編1 ページ2
※時間軸としては、入学式から1か月後くらいです。
「ん……くぅ、ふぁぁあ。」
体をゆっくりと伸ばし、あくびをする。
時刻は午後9時30分。そこまで遅い訳ではなかったが、Aは強烈な眠気に襲われていた。
Aの近くの机には終了した大量の書類が積んであった。
「チッ……あんの黒蜜柑が、人使い荒すぎだろ……」
僕は2日に1回、朝、昼休み、放課後に風紀委員の仕事をしているのだが……休みの日まで書類押し付けてくるって酷くない！？ 休みじゃねぇじゃん！！
バミューダ君からの仕事もあるのに……
「……げっ」
心の中で文句をいいながらも書類を確認していくと……
ぼ、僕は！ 何も見てない！！ 「今日中」とか見てないからああああああっ！！！
必死で現実逃避しようとするものの、何度見ても赤い文字で大きくそっけなく書かれたそれが消えることはなかった。
どどど、どうしよう！？
今日中……今日中……。
「あっ！ 今日中ってことは、今から出しにいけば、まだセーフなんじゃないですかねー？」
屁理屈だと自分でも思うが、屁理屈でも理屈は理屈。言葉の意味としては、間違ってはいない。
だって！ この前一度遅れちゃった時があったんだけど、戦闘じゃ敵わないと悟ったのか、正座で6時間お説教されたんだよ！？
次は何時間になるか……。
しかし、ここで問題発生。僕、雲雀センパイの家とか知らないんだけど！？
あっ、そうだ。
「そんなときは〜。」
ドラ○もんの声で、
「てってれ〜ん！ノートパソコン〜！！」
ちなみにこれは独り言だ。そこ！さみしいとか痛いとか言わないでよ！！
「これを使って、ヒバリセンパイの家の住所を調べることができるんだよ、野○太くん。」
「へぇ、それはすごいね！ ドラえ○ん！！」
「でしょう！ …………え？」
「……何してるの、A」
……………………。
「や、やあ。バミューダ君じゃないですかー。やだなー、ちゃんとノックぐらいしてくださいよー」
「したよ」
「……そ、そうですかー。で、何の用ですかー？」
「これ、やっといてね」
そう言い、大量の書類を机に置く。
……NOooooooo！！！！！
「い、いらないですー！ 帰ってくださいー！！」
「……安心しなよ、さっき見たことは忘れてあげるから」
と、優しい口調で言うバミューダ君。いや、
「マジで帰れ」
「そうさせてもらうよ」
そう言い、夜の炎に入っていく。……って、ちょっ！！
「書類持って帰れよおおおおおおおおっ！！」
静かな家に、僕の心の叫びがこだました。
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作者名：夢うさぎ | 作成日時：2019年5月3日 19時
