ページ ページ9
｢声出てる。｣
｢え？｣
｢重岡にしげ子ってあれやろ？変やんな｣
｢あ！いや、あのーえーあーっと...｣
｢ほんまな。しげ子て...女の子に付ける名前ちゃうやろ｣
｢......ふふっ、でも忘れないです｣
｢......誉め言葉になってないよ、それ｣
｢ｯ......すいません｣
本に挟まれての会話だったのに、突然ひょこっと顔だけだして不服そうな顔でそうつっこんできた重岡さんに、俺は落ちた。
綺麗な黒髪で赤ぶち眼鏡。
柔らかそうな頬をすこし膨らませて、俺が座ってるはずなのにすこし上目遣いで睨んでくる。
全然怖くない。
むしろ可愛いとさえ思った。
そして気付いた、この人神山先輩と一緒にいた人だと。
｢終わった？｣
｢え、あ！終わりました！｣
｢どーも。んしょ...｣
｢持ちますか？｣
｢大丈夫。君みたいなキラキラした人は私とおったらあかんよ｣
｢え？｣
手伝おうとすればそう言われた。
意味がすぐには理解できなかったのだが、それも後々わかった。
どうやら当日重岡さんは【地味岡】と呼ばれていたらしい。
全体的に長い髪。
眼鏡。
あまり人と話さない。
だから【地味岡】らしい。
だけど、神山先輩と話してたし、俺とも普通に話していた。
髪だって伸ばしっぱだけどよくみれば、一度も染めたことないような綺麗な黒髪で、少し手を加えれば誰もが羨むものになるはず。
｢よく知らないくせに...｣
自分も知らないが少し関わった身として、重岡さんのことを【地味岡】なんて呼び方はしない。
それからは全く関わりもなく、文化祭が終われば神山先輩とも交流は少なくなった。
棟が違うとこうも会わない。
そのままずるずると重岡さん達は卒業していってしまった。
≪過去終了≫
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 73人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ろきゅ(プロフ) - 苺さん» 苺さんのペースで構いません。はい、楽しみにしてます(^-^) (2019年6月7日 15時) (
レス) id: 86bfb345a9 (このIDを非表示/違反報告)
苺(プロフ) - ろきゅさん» そうなのですね…まとめて上げるのでゆっくり更新にはなりますが、これからも楽しんで見てもらえたらなと思います！ありがとうございます！！ (2019年6月7日 1時) (レス) id: f811494458 (このIDを非表示/違反報告)
ろきゅ(プロフ) - 訳あってR18フラグの作品が読めない環境なので…苺さんのR18ではない作品が久々に見れて嬉しいです。これからも応援してます!! (2019年6月5日 14時) (レス) id: 86bfb345a9 (このIDを非表示/違反報告)
苺(プロフ) - 亜子さん» そんなことを言っていただけるなんて…ありがとうございます！なるほど…アドバイスありがとうございます。入れてみたいと思います。 (2019年6月3日 15時) (レス) id: f811494458 (このIDを非表示/違反報告)
亜子 - 素晴らしい桃赤です！もっと皆さんに読まれて欲しい作品なのに！と思ってるのですが、キーワードなどに「ジャニーズWEST」と登録して欲しいです。ジャニーズWESTで検索してる方が多いと思うので、もっと目にする人が増えると思います！ (2019年6月3日 15時) (レス) id: bc417d56af (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：苺 | 作成日時：2019年3月19日 22時
