乙女の日常

13日目 ページ13

ー自宅ー


｢ただいま〜｣

『おかえり〜』




家に帰れば既に二人も帰宅していたみたいで、綺麗なハモリで出迎えられた。




｢あ、しげちゃん｣

｢ん？｣




神ちゃんお手製のアップルパイを美味しそうに頬張るしげちゃんに声をかける。




｢今日藤井さんに会ったよ。あと桐山さん｣

｢あーこの前言ってた化粧品の？やっぱり藤井さんとの所やったんや〜｣

｢写真より実物の方がイケメンやった｣

｢何よその感想 笑｣




キッチンから夕飯を持ってきてくれた神ちゃんからつっこまれる。

だってぇ、ほんまにそう思ったんやもん...戴きますをして夕飯を食べ始めれば




｢そうやんなぁ〜藤井さんってやっぱりイケメンなんやなぁ〜｣

｢しげ？｣




しみじみそう呟くように言葉を発したしげちゃん。

そんなしげちゃんに神ちゃんも違和感を感じたのか、不思議顔。

二人してしげちゃんを見つめるもんやから、そんな私達に今度はしげちゃんが首をかしげる。





｢何よ？｣

｢いや、しげが男の人をかっこいい言うんは久しぶりに聞いたなぁ〜って｣

｢私の従兄のたかにぃが短髪にしたときだけやない？かっこいいかっこいいうるさいの｣

｢うるさいって失礼な…まぁ、言われてみれば？男とか女とか関係なく、あんまり他人にたいしてどうこう思ったことはなかったね〜｣





なんやろなぁ〜と頭に？を浮かべながらまたアップルパイを頬張る。

ハムスターみたいで可愛いと思いつつ、隣の神ちゃんに小声で話しかける。





｢これはもしかすると？｣

｢もしかするかもね〜｣





久しぶりのしげちゃんの色恋沙汰にニヤニヤが抑えられない神ちゃんと私。

藤井流星。

ぽやっとしているが、確かにイケメン。

この二人がどうなるか今から楽しみでしかないが、しげちゃんを取られるとなると、やっぱりすぐには認めたくない気持ちもある。

そうなると、これから私自信も葛藤しなくてはならないのかと、今から憂鬱になりそうだ。

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