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≪大毅≫
一人になって冷静になる。
流星はそんなやつじゃない。
それを一番知ってるんは俺やん。
小さい頃から一緒にいる...楽しいときも辛いときも流星が側にいてくれた。
やから、どんなことでも乗り越えれた。
大好きな、大切な流星のことを俺は疑ってしまったんや。
それに田中さんも......戻ってきてくれるんかな。
こんな危ない目にあったんやもん...。
理由は分からないにしろ、俺にも責任はあるはずやし。
まだまだ当主としては半人前。
「...最低やな。主失格、かな...」
元はと言えば流星を疑ってしまったのは、流星の帰りを待っているときに届いた一通のメールやった。
差出人は不明。
ただ本文のところに
【敵は近くにいる】
とだけ書いてあった。
それから、田中さんの所持品の中にあった流星のネクタイピン......
はぁ言い訳にしかならんか。
せやけど、あのメールは一体...
「もう...分からん...」
静かな屋敷に俺一人。
流星は恐らくどこかに出掛けた。
バイクの音したし。
桐山も田中さんに付き添っている。
広い屋敷にただ一人...
慣れたはずやったんやけどなぁ〜
山崎、桐山、田中さん、叔父さん............流星。
やっと家族ができた思ったのに...もう、一人はいやや。
当主として叔父さんの代わりにって、せっかく頑張ってたんやけどな...
俺がバラバラにしてもうた...?
「上手く、いかへんなぁ...」
ブーブー
どれくらいやろ、塞ぎ混んでいると携帯が鳴った。
【舷(げん)叔父さん】
「もしもし!」
『おー大ちゃんかぁ!どうや?元気しとるか?』
「ん...叔父さんこそ今どこおるんよ...帰ってくる気ないん?」
『......ないな』
「......」
期待はしていなかった。
やけど、1%の可能性をかけてみた。
まぁ、あっさり砕かれたけど。
『大ちゃん。
輪は作れたか?』
「輪?」
『俺が昔教えたやろ、武道での間合いの話や』
「あぁ...そんな話してくれたかも」
『人の身体は心と儘ならぬもの。心は身体の大きさぴったりにするんは難しい。心は外から...攻撃されるとすぐ萎んで内側に入ってまう。やけど身体より大きくしとくんもまた難しい。身体からはみ出た心はぐにゃぐにゃ形を変え、人に利用されたり傷つけたりする。身の丈...って言葉があるやろ?』
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ぽっち。(プロフ) - 神重流望&雍予澆気» いつも応援ありがとうございます!リクエスト受け付けました!頑張って書きます! (2018年12月6日 23時) (レス) id: f811494458 (このIDを非表示/違反報告)
神重流望&濵桐淳(プロフ) - リクエストいいですか?重岡さんが誘拐される的なものが読みたいです!いつも応援しています!頑張ってください! (2018年12月5日 22時) (レス) id: 0d20c7ba6e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぽっち。 | 作成日時:2018年11月6日 0時