【wrwrd】無表情な彼女の戦闘物語6【あかがみん】【日常組】【pkt】【^ら^】 (ページ10)

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第255話ページ10

「ッハッハッハッハ･･･！
　"まじない"も大した事あらへんなぁ･･･！！」
コネシマはまだ顔を顰めながら、引きつった笑顔を見せてAを見る。
「･･･幾ら、軽度とは言え･･･何で、立てて･･･？」
Aは目を丸くさせて、立っているコネシマを見ている。

「俺等は"ホンマモン"の戦場数えられん程立っとるねん･･･！
　こんな呪いか何か知らんもんに、負ける訳ないやろ･･･！！」

「(･･･ああ･･･太陽みたい･･･)」
　コネシマは炎を拳に宿し、片手にナイフを握りしめている。
日光も相まって、Aはコネシマがいつもよりも眩しく見えて、目を細めた。
「行くでA！！」
コネシマが口角を上げて、Aに向かって走り出した。
「(･･･仲間でも、本気でやらなきゃ失礼･･･)」
Aは昨日のクミの言葉を思い出して、息を整える。

　ゴポッ
「！！」
　Aが小さく口を開くと、そこから水が溢れ出た。
「ッハハ！相性バッチリやないか！！」
コネシマは額から汗を流しながらも、楽しそうにAに向かって炎の拳を構える。
「･･･暑いでしょう、今消しますね･･･。」
　Aがそう言うと、Aの口から溢れだした水の塊が、蛇の様になってコネシマに向かう。

「(あ、コレはアカン)」
　コネシマが目を見開いてそう思った時には、既にコネシマは水の塊に飲み込まれた。
拳の炎は消え、息を抑えられなくなったコネシマは、水の塊の中でゴボッと口を開けて泡を大量に吐いた。
するとすぐに水の塊が消えて、コネシマは俯いて咳き込む。
「ゲホッ･･･！ゴホッ･･･！」
「すみません、コネシマさん･･･大丈夫ですか･･･？」
Aはコネシマに駆け寄り、息を整えているコネシマの背中をさする。
「っあ"ぁ"･･･お前っ、結構エグいのやるで、ホンマ･･･！」
コネシマは息を整えながら、俯いたままAにそう言う。
「･･･すみません･･･どうすればいいか、分からないので･･･。」
罰が悪そうに、Aはコネシマに謝って俯く。

「･･･アホ、褒めとるんやから喜べや。」
「！」
ポンッと頭に少し熱い感覚が乗り、Aは目を見開く。
「平和ボケしとるけど、軍人ここまで苦しめたねんから。
　魔法の相性も分かっとるし、近接戦もバッチリやでA。」
Aが顔を上げると、水で濡れたままのコネシマが嬉しそうに笑っていた。
「降参っ。お前の勝ちや。」
「･･･ありがとうございますっ、コネシマさんっ･･･。」