第155話 ページ10
空が既に赤くなっていて、学園のグラウンドには多くの生徒が集まっていた。
生徒全員がスーツやドレスを着ていて、着飾っている。
「(本当に汚れない･･･)」
Aはゾムにエスコートされながら、自分のヒールやゾムの靴を見た。
地面を蹴っても、濡れていないのに砂埃は上がらず、靴にも付いていない。
「あんま下見とると転ぶで？」
「あ、はい･･･。」
ゾムに言われて、Aはまた顔を上げた。
「･･･立食なんですね、本当に･･･。」
Aが見た先には、生徒達に囲まれる様にテーブルがあり、その上には様々な料理が置かれている。
いつから置かれているか分からないが、出来たての様に湯気を立てている。
「料理はあったかいままにする魔法かかっとるんやって。
時魔法なんか炎魔法の類なんか分からんけど。」
「食器にかかってるんでしょうか･･･。」
ゾムの話を聞いて、Aは料理を遠目に見ながら考え事をする。
「ま、交流会なんやし今度調べたらええやん。な？」
「･･･それもそうですね･･･。」
ゾムに言われて納得したAは、後は気にしない事にした。
それを見て、ゾムは満足した様に笑って、顔を前に向けた。
「(･･･わっ･･･視線がいっぱい･･･)」
生徒達のいる場所に近づくにつれて、Aは此方を見る生徒達が増えていくのを感じ取って、実際に自分とゾムに視線が集まっているのを見る。
「･･･A、何か食べる？」
料理が置かれているテーブルの前に着いた、ゾムとA。
ゾムは取り皿を1枚取って、Aに訊ねる。
「どうしましょう･･･。色々ありますね･･･。」
「とりあえずサラダ食べるか？」
「あ、そうします･･･。」
「はーいっ。」
ゾムはAの返事を聞いてから、適当にサラダを皿に乗せてAに渡した。
「ありがとうございます･･･。」
「ん。･･･皆食べ始めとるし、もう開会の言葉とかおわったんやろな。」
ゾムは既に食べている生徒達を見ながら、そう呟いた。
「皆さん、置いて来ちゃいましたね･･･。」
Aはサラダを食べながら、グルッペン達の事を気にする。
「ええねん。すぐ来るやろうし。」
ゾムはそう言いながら、いつの間にか取っていた料理を食べている。
「･･･スーツ着てるのに、沢山食べられるんですね･･･。」
「ん？おん。いつもよりは食えへんけどな。」
「(いつもと同じ位食べてるけどな･･･)」
いつも通り食べているゾムを見て、Aはそんな事を考えていた。
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眼目夢子(プロフ) - 匿名さん» ご報告ありがとうございます！修正致しました！ (2021年11月18日 12時) (
レス) id: cd5f0ffb10 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - 第173話、下から6行目「そんなことはないと思いますけ……」になっています (2021年11月18日 12時) (レス) @page28 id: c1f3a10c7f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：眼目夢子 | 作成日時：2021年10月21日 0時
