第193話 ページ48
グルッペンに言われて、兄さんは椅子にブランケットを置いてから、またリビングを出て行った。
兄さんと入れ違いで、オスマンとひとらんが治療器具を持って入って来た。
「コレでいいめぅ？」
「兄さん毛布持って来てくれてたな･･･。ま、いっか。」
「二人共、ミニテーブル傍に持って来て〜。」
「俺持って来るわ。」
しんぺい神に言われて、ひとらんはリビングを出て行った。
「･･･ゾム。座って落ち着かないめぅ？」
オスマンは首を傾げながら、ソファーの傍に立ってそわそわしているゾムに声をかける。
「･･･いや･･･。」
「手当て出来るのはペ神と･･･グルッペンぐらいやろ？
スケルトン討伐で疲れとるでしょ？紅茶淹れたげるから落ち着こう。」
「･･･でも･･･。」
「はいはい、駄々こねない。こっち来ようなー。」
「！うぅ･･･」
笑顔のオスマンに背中を押されて、ゾムは不安そうにAを見ながら椅子に座らされた。
「Aちゃんが心配やから、一人ですっ飛んで来たんやろ？
どうしても気になるなら、此処におってもええやろうからさ。」
「･･･。」
オスマンに言われながらも、ゾムはAの方を見ている。
ガチャッ
「あったで、貴族専用解呪薬。」
「ミニテーブルも持って来た。」
兄さんが片手に瓶を持ち、ひとらんがミニテーブルを持ってリビングに戻って来た。
「ありがとう。兄さんはそれミニテーブルに置いて。」
「はーい。」
しんぺい神に言われて、兄さんはひとらんがしんぺい神の傍に置いたミニテーブルに、持って来た瓶を置く。
「グルッペンやる？俺やってもいいけど。」
「･･･疲弊してる。貸してくれ。」
「はい。」
グルッペンが差し出した手に、しんぺい神は用意していた聖水と貴族用解呪薬を渡した。
グルッペンが何かを唱えると、受け取った聖水と解呪薬の瓶が浮いて、蓋が開いた。
蓋が開いた瓶からは中身の液体が溢れ、グルッペンとAの周りを囲う様に浮かぶ。
「＿＿＿」
グルッペンは何かを唱え続けていて、Aに巻かれた包帯が外れていく。
「ぐ、るっぺん、さん･･･」
Aは顔を顰めたまま、グルッペンを見上げる。
「＿もう少しだ。待っていろ、A。」
グルッペンは普段のように自信のある笑みを浮かべて、Aにそう言ってまた何かを唱え続ける。
「(＿あぁ･･･なんで、安心できるんだろう･･･)」
Aはリーダーを見ながら、またそっと目を閉じた。
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眼目夢子(プロフ) - 匿名さん» ご報告ありがとうございます！修正致しました！ (2021年11月18日 12時) (
レス) id: cd5f0ffb10 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - 第173話、下から6行目「そんなことはないと思いますけ……」になっています (2021年11月18日 12時) (レス) @page28 id: c1f3a10c7f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：眼目夢子 | 作成日時：2021年10月21日 0時
