第190話 ページ45
「(とにかくストック･･･！！)」
エーミールは鞄を片手で漁り、中から目当ての物を取り出す。
それはトントンがエーミールにかけようとしていた物と同じ、聖水が入った瓶だった。
「(これだけじゃ効果はないだろうけど、緩和ぐらいにはなる筈･･･！！)」
エーミールは考えながら蓋を片手で開け、そっとAのオーラがまとわりつく片腕にかけた。
「う･･･」
禍々しいオーラが少し薄れて、Aの様子もほんの少しだけ改善されたのが窺える。
「(良かった･･･一応緩和されてる･･･！)」
エーミールは一安心しつつも、鞄から包帯を取り出す。
包帯と共に、今着けている厚手の手袋とは違う、純白の汚れのない手袋も取り出して、器用に片手で、両手に装着した。
そしてその場に正座して、Aを横にして膝の上に座らせる。
Aは気を失っているから、エーミールは片腕でAを支える。
「(感染するタイプの呪いという事だと言うのは分かった･･･！
念の為に持っておいたあらゆる感染を押えられる包帯と、呪い対策用の手袋が役立つ･･･！)」
エーミールは素肌でオーラに触れない様にしながら、オーラがまとわりつくAの片腕の袖を捲り上げる。
「っ･･･捲り上げられる所までで、助かりましたが･･･これは･･･。」
Aの片腕は、不可思議な紋様がビッシリと肌に染み込んでいた。
その紋様からは、オーラと同じ禍々しさが感じられる。
「帰ったら、すぐにリーダーに頼んで貴族用の回復薬手配して貰いましょうね･･･。」
エーミールがそう言うと、Aは心なしか表情が穏やかになったように見えた。
「＿よしっ･･･！！」
エーミールはAの腕に包帯を巻き終えて、一息吐く。
「・・・エミさん･･･？」
「！！ぞ、ゾムさんっ･･･」
名前を呼ばれて、エーミールは声の主＿ゾムを見上げる。
「す、スケルトンは･･･？」
「後少しやし、任せて来たんやけど･･･何で、A倒れてるん？」
ゾムは普段よりも静かな声で、エーミールに訊ねる。
「その･･･黒い宝石が、感染タイプの呪いで･･･私が不甲斐ないばかりにAさんが･･･。」
「･･･解呪方法は？」
「聖水と、貴族用の回復薬だとAさんが･･･。」
「分かった。」
ひょいっ
「！？ぞ、ゾムさん！？」
ゾムが軽々とAを抱き上げたので、エーミールは目を丸くさせた。
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眼目夢子(プロフ) - 匿名さん» ご報告ありがとうございます！修正致しました！ (2021年11月18日 12時) (
レス) id: cd5f0ffb10 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - 第173話、下から6行目「そんなことはないと思いますけ……」になっています (2021年11月18日 12時) (レス) @page28 id: c1f3a10c7f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：眼目夢子 | 作成日時：2021年10月21日 0時
