第184話 ページ39
「ん。頑張ろうな。」
ショッピはポンッとAの頭を軽く撫でて、光をまとった銃弾を銃に込めた。
「(･･･あーあ、偶にはかっこええとこ後輩に譲ったるか･･･)」
鬱はショッピとAの様子を見ながら、Aに煙が行かない様に煙草に火を点けた。
「真ん中狙ってええな？」
「はいっ･･･。」
銃を構えるショッピの後ろで、Aはショッピを見守る。
「聞こえますよね？多分装置壊したらスケルトン暴れるだろうから･･･
そうなったら掃討スタートしてくださいね。」
『『『オーケー！』』』
ショッピが言うと、通信機越しに仲間のしっかりとした返事が聞こえた。
「大先生も働いてくださいよ。」
「一服したらなー。」
「此処にもクソ先輩おったわ･･･」
ヒラヒラと煙草を咥えながら手を振る鬱に、ショッピは溜め息混じりにそう言って照準を宝石に合わせる。
「(さて･･･お仕事お仕事)」
＿パアンッ＿
ショッピが撃った弾が、見事宝石の中心に当たった。
禍々しいオーラを放っていた黒い宝石は、音もなく割れて欠片になって砕け散った。
「っしゃっ」
ショッピは小さな声で、喜びの声を出す。
「！あっ･･･！」
Aは下の様子を見て、声を漏らす。
スケルトン達が、カラカラと音を立てて動き出した。
そして、宝石を狙撃して砕いたショッピの方へ顔を上げる。
『や･･･め"でっ･･･ぐれ"ぇ"っ"･･･！！』
「っ･･･」
Aは記憶の中にある誰かの姿とスケルトンと姿が重なって、顔を顰めて口を押える。
「！うお、マジでっ？」
スケルトン達が一斉に弓を構えて、その先をショッピ達がいる丘上に向けてきた。
「避難！ショッピくん！」
「言われなくてもっ！」
「！？」
鬱が声を上げ、ショッピが銃を消して小脇にAを抱き上げる。
スケルトン集団が一斉に弓矢を放つと同時に、鬱とショッピはスケルトン集団とは反対側へ走って弓矢から逃れる。
「(あ･･･当たるかと思った･･･)」
Aはショッピに放して貰ってから、バクバクしている心臓を落ち着かせる。
「おーおー。ヒュンヒュン飛んでるわ。」
鬱は煙草の火を自分の水魔法で消しながら、上を見上げてそう言う。
スケルトン集団は丘の向こう側から撃っているからか、弓矢は鬱達の頭上を通り過ぎて行く。
「ショッピくん一発で決めるから俺格好つけられへんかったわ。」
「大先生ばっかにやられてたまるかって話ですわ。」
「本人、俺本人。」
「ッハハッ。」
おちゃらける鬱に、ショッピは笑い出した。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 90人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
【wrwrd】無表情な彼女の戦闘物語【あかがみん】【日常組】【pkt】【^ら^】 【wrwrd】無表情な彼女の戦闘物語3【あかがみん】【日常組】【pkt】【^ら^】 【wrwrd】無表情な彼女の戦闘物語6【あかがみん】【日常組】【pkt】【^ら^】もっと見る
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
眼目夢子(プロフ) - 匿名さん» ご報告ありがとうございます！修正致しました！ (2021年11月18日 12時) (
レス) id: cd5f0ffb10 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - 第173話、下から6行目「そんなことはないと思いますけ……」になっています (2021年11月18日 12時) (レス) @page28 id: c1f3a10c7f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：眼目夢子 | 作成日時：2021年10月21日 0時
