第182話 ページ37
「そ、そんな事したら･･･！」
Aは目を丸くさせて、真剣な表情で鬱に抗議しようとする。
「俺等が効果範囲に入らんかったら、後はスケルトン倒せばええだけやで？
洗脳されてどうなるかは知らんけど、されそうなら誰かしら正気に戻してくれる。」
鬱は平然とそう言い、弾を一発込める。
「か、風が吹いたらトントンさん達にまで広がるかも知れないんですよ･･･！？」
「大丈夫や。頭ぶん殴れば正気戻る。トンちとゾムにすんのは怖いけどな、後が。」
「何処まで強力なものかも分からないのにそんな･･･！！」
『大丈夫ですよ。全員特殊なガスマスクを着けましたから。』
『やから心配せんでー！』
エーミールとゾムが、通信機越しにそう言った。
「ガス、マスク･･･？」
「毒ガス吸ってもある程度耐えれるヤツ。ほい、一応。」
ショッピはそう言って、黒いガスマスクをAに差し出す。
『俺作ったんや。サイズもピッタシに作っとるから隙間から入る事もないで。』
ロボロが少し得意げに、そう言って来る。
『お前何でAのサイズ知っとるん･･･キモいで？』
『グルッペンに頼まれとったモンの1つや。俺はなーんも悪くあらへんっ。』
「(コイツ『女の子のサイズとか知っとる』って言うちっさい愉悦感に浸っとる･･･)」
恐らく何処か嬉しげにしているだろうロボロの声を聞いて、鬱は内心馬鹿にしていた。
「着けたるから。コレでオーラかガスか知らんけど防げる。」
驚いたままのAに、ショッピは銃を置いて後ろからAにガスマスクを着けてあげる。
「(コレで防げる･･･？でも、アレがもし、進化した"洗脳装置"なら･･･)」
Aは俯いたまま、何かを思い出し身震いする。
「･･･何が不安か知らんけど、俺等の強さまだ分かっとらんな？」
ショッピに訊かれて、Aは顔を上げる。
「大先生。俺一発撃ってええですか。」
「おん。」
「！だ、からっ、光魔法を･･･！」
ショッピが再度撃つ準備をし始めるので、Aは声を絞り出す。
「A。魔法はどれでも、万遍なく使える様にして貰っとるんやろ。」
「？は、い･･･。」
「ん。」
ショッピは込めた弾を抜いて、1つをAに差し出した。
「俺は出来へんからやってぇや。
1発でええ。それで破壊したるから･･･俺を信じてくれへん？」
「っ･･･。」
ショッピに真っ直ぐ見つめられ、Aは戸惑う。
「(私がやる･･･？でも、当たっても二次被害が･･･)」
Aが悩む間も、ショッピは真っ直ぐAを見つめている。
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眼目夢子(プロフ) - 匿名さん» ご報告ありがとうございます！修正致しました！ (2021年11月18日 12時) (
レス) id: cd5f0ffb10 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - 第173話、下から6行目「そんなことはないと思いますけ……」になっています (2021年11月18日 12時) (レス) @page28 id: c1f3a10c7f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：眼目夢子 | 作成日時：2021年10月21日 0時
