第171話 ページ26
「っは･･･！！」
Aはバッと飛び起きて、しばらく息を乱していた。
冷や汗をかいていて、背中はビッショリと濡れている。
「(･･･痕は･･･濃くなってない･･･)」
Aは夢の中で謎の男に掴まれた両手首を見るが、痕は少し薄くなっているだけだった。
Aは深呼吸をして、息を整える。
外を見ればまだ早朝なのか、空はまだ少し暗い。
「(･･･今なら、誰も入ってないよね･･･)」
Aは鼓動を落ち着かせてから、着替えとタオルを持って部屋を静かに出た。
「(夢の中に出て来たあの人は、本当に師匠のお兄さん･･･？)」
Aはシャワーを浴びながら、夢の内容を思い出す。
「(見た事ない人だった･･･師匠の面影･･･多少似てた･･･？
でもあのドス黒い雰囲気･･･アレは･･･"主人の目"だった･･･)」
『君の居場所は・・・ 暗い牢の中以外にないでしょう？ 』
ゾクッ
「っ･･･。」
夢の中の、男の気味の悪い笑顔を思い出して、Aは暖かい筈の浴室で寒気を感じる。
「(･･･悪夢ではあったんだけど･･･最後に･･･)」
『『『頼れって！！』』』
悪夢の中で、眩い光を放って解放してくれた多くの声。
その声は、まだ1ヶ月も経っていないのに、とても頼りになる人達の声だった。
「(･･･落ち着かなきゃ･･･)」
Aはパチンッ！と両側の頬を叩いて、気合いを入れ直した。
「(今日お休みだし･･･皆さん寝てるだろうな･･･)」
○●○●○
「え、めっちゃ早起きやん。」
「おはようA。」
「おや？もう一度シャワーを来たんですか？」
「(･･･早い･･･)」
リビングには既に、ロボロ・トントン・エーミールが席に座っていた。
「おはようございます･･･皆さん、早くないですか･･･？」
「此処3人、早めに起きたもんやから･･･。」
Aが首を傾げて訊ねると、トントンが苦笑いしながらそう言った。
「＿せや。ランク的にバランス取れそうやし、薬草採取行けるんやない？」
「？薬草採取･･･？クエストですか･･･？」
ポンッと両手を叩いたロボロに、Aは聞き返した。
「せやねん。薬草採取のクエストがあるんやけど、3人だとちょっと簡単すぎるから･･･
多分『Cランクにやらせて欲しい』とか言われるねんな。
でもペ神が丁度薬草欲しがってたし、お金も貯めたいからどうしよ思っててん。」
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眼目夢子(プロフ) - 匿名さん» ご報告ありがとうございます！修正致しました！ (2021年11月18日 12時) (
レス) id: cd5f0ffb10 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - 第173話、下から6行目「そんなことはないと思いますけ……」になっています (2021年11月18日 12時) (レス) @page28 id: c1f3a10c7f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：眼目夢子 | 作成日時：2021年10月21日 0時
